今週、宮本師はフランス出張中。もちろんフォア賞に
クリンチャーを出走させるためです。そこで出張前に気になることをいくつか聞いておいたのですが、その中のひとつが
アグネスワルツの娘・
ジューンワルツのデビュー情報でした。
「9月15日の阪神競馬、牝馬限定の芝1600mを使います。母の
アグネスワルツとはよく似ていますよ。うるさいところなんて特にね」(宮本師)
そう、母の
アグネスワルツはかなり気の強いお嬢さんでした。でも、それが競馬では勝負根性となり、2010年の
オークスでは先行2番手から3着に粘りこみました。あのとき直線を向いたときに単独先頭に躍り出て、
アパパネと
サンテミリオンに抜かれたあとも最終的に2馬身差で食らいついた姿は印象深かったです。
その2番仔で父は
ハービンジャー。明るい栗毛、顔の作(白斑の一種)、脚の白い部分とか、ほんと良く似ていますよ。そのあたり、母と娘に両方に乗ったことがあるという宮本厩舎の川合助手に聞きました。
「僕がグリーンウッドに勤めていた頃、放牧にきていた
アグネスワルツに乗りました。すごく背中も走りも柔らかかったです。そして、こういう馬が“走る”んだなと教えられました。
ジューンワルツもそんな背中や走りの感触が母を思い出させます。我の強さも、ですね」(川合助手)
ゲート試験を合格したあと、1回放牧に出してからデビューに向けて再入厩しています。ゲート練習で一旦かなりゲートに集中するので、
ジューンワルツのような気性の馬はリフレッシュ放牧の効果が高いでしょうね。帰厩後、さほど目立った時計は出していませんが、順調そうです。12日の追い切りではレースで騎乗予定の川又騎手が感触を確かめています。
「走りが柔らかくていい感触がつかめました。気の強さをレースに生かせるといいなと思っています」(川又騎手)
先週は宮本厩舎の管理馬・
セグレドスペリオルで2歳未勝利を勝ち上がっている川又騎手。
ジューンワルツでも続けるといいですね。
馬体重は約440キロ。馬体もまだまだ成長途上といったかんじですけど、そのわりに大きく見せていましたよ。
「母は年齢とともに馬体が立派になっていきました。
ジューンワルツもそうなるといいな、と思いますね」(宮本師)
(取材・文:花岡貴子)