スプリンターズSは僅差ながらも
ファインニードルが貫禄勝ちをみせました。そして、13番人気の
ラインスピリットの激走には驚きましたね! 普段、松永昌厩舎はよく取材させていただいてますし、今回の中間も見てはいましたけど。
ラブカンプーは狙っていましたが、まさか
ラインスピリットがGIで3着にくるとは想像できませんでした!
「自分たちも驚いたよ。状態は良かったけど、これまで重賞といえばGIII(
北九州記念)の3着が最高だったからね(笑)」と担当の瀬戸口助手。
「以前は近い距離の輸送でも8キロ減ることがあったくらい輸送に弱かった。でも、今回は中山まで行ったのに10キロ減っただけだったんだ。夏場も函館や新潟に遠征したりしてずっと競馬だったけど、そのわりに体も減らなかったし体力的にもへこたれたところがなかったんだ。
あと、昔に比べて番手の競馬ができるようになった。やはり逃げるだけより好位から競馬したほうが戦法に幅が出る。そういったいろんな要素が合わさった上に、ユタカ(
武豊騎手)が上手く乗ってくれたからね」
そして、知りたいのはやはり次に
ラインスピリットが馬券圏内に突っ込んでくるタイミングでしょう。ぜひとも教えてもらいたい! そんなわがままな要求に瀬戸口助手はあるヒントをくれました。
「この馬はね、調子がいいときは2戦続けていい成績をあげるんだ」
さっそく調べたところ、オープン入り以降は5歳秋にオ
パールSと
ルミエールオータムDで連勝しています。その後も6歳から7歳にかけての冬に
タンザナイトS2着のあと
淀短距離Sを優勝しています。
「
セントウルSでは勝てなかったけれど、一馬(
森一馬騎手)がしっかり最後まであきらめずに乗ってくれた。馬場が重と悪い中、終いも差されたけど15頭立てで5着まで粘れた。負けたけど、あの
セントウルSでしっかり走れた効果が大きかったし、今回の
スプリンターズS3着に繋がったと思うよ」
そして、やはり今後の目標は!?
「これだけ力をつけてきているんだ。重賞のタイトルが欲しいね。7歳だけど、元気いっぱい。このあと放牧に出るけど、2か月ほどで戻ってきて年末の
阪神C(12月22日、阪神芝1400m)を目標にする予定。早ければ
京阪杯(11月25日、京都芝1200m)というプランもある。前向きな馬だから仕上がりも早いし、こうやってGIでも上位で戦えた。タイトルが獲れるだけの力はつけてきていると思うよ」
(取材・文:花岡貴子)