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【京都大賞典 勝負の分かれ目】復活劇を呼び込んだ、川田騎手の「馬本位」と「強気」の騎乗

  • 2018年10月08日(月) 19時00分
 眩い陽差しのなか、第53回京都大賞典のゲートがあいた。

 出走馬11頭は横一列のスタートを切った。

 プラチナムバレットが抜け出しかけたが、それをスタンド前でウインテンダネスがかわしてハナに立った。

 福永祐一が騎乗する1番人気のシュヴァルグランは中団。

 その直後に初騎乗の川田将雅を背にしたサトノダイヤモンドがつけている。本命馬をぴったりマークする形になったわけだが、川田としては「初めて乗るので、ダイヤモンドが選んだ位置でレースを進めた」という。

 1、2コーナーを回りながら、ウインテンダネスが後続との差をどんどん広げ、向こう正面入口では2番手に10馬身ほどの差をつけていた。1000m通過は1分01秒2。2番手以下はこれより1秒半から2秒ほど遅いので、流れはスローと言える。

 しびれを切らしたスマートレイアーが3コーナーで単独2番手に上がり、先頭との差を詰めて行く。

 ラスト600m地点を通過。スマートレイアーの外に出したシュヴァルグランサトノダイヤモンドが並びかけ、直線へ。

 まだウインテンダネスが先頭で2馬身ほどのリードを保っている。

 その外からスマートレイアーシュヴァルグランサトノダイヤモンドが並んでかわしにかかる。が、それら3頭が横並びになったのは、ほんの一瞬だった。

 川田のゴーサインを受けたサトノダイヤモンドが鋭く反応し、ラスト200m手前で体ひとつ抜け出した。

「手応えがよかったので早めに動く形になりましたが、強気に押し切ろうと思いました」

 そう話した川田の気持ちが乗り移ったかのように、サトノダイヤモンドが豪快に末脚を伸ばす。

 レッドジェノヴァが猛然と追い上げてくるが、抜かせない。

 サトノダイヤモンドが先頭でゴールを駆け抜け、昨年の阪神大賞典以来、約1年7カ月ぶりとなる勝利を挙げた。

 半馬身差の2着はレッドジェノヴァ、そこから1馬身3/4遅れた3着はアルバート

 1番人気のシュヴァルグランはさらに1馬身遅れた4着に終わった。

「いい感じでしたが、マークされてキツい形でもあった」と福永が振り返ったように、川田が馬本位で選んだ位置取りが、勝利を近づける戦術としても機能した。

 馬本位で強気の騎乗が、グランプリホースの闘志に火をつけ、鮮やかな復活劇を演出した。

(文:島田明宏)

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