牝馬三冠最終戦・
秋華賞。
C.ルメール騎手を背に三冠達成を狙う
アーモンドアイの圧倒的な1番人気が予想される1戦。昨年の2歳女王
ラッキーライラックや
ローズSを完勝した
カンタービレも出走するが、そこに食い込む穴馬は現れるのか。今回は「PP指数」(※)を駆使して穴馬を見つける、「負けない女」の異名でも知られる山崎エリカさんに見解を伺った。
※レースの入線タイムを基準にして各馬の走破タイムの価値(能力)をポイント化した指数。
■キャリアが少ないあの馬に注目
昨年の
秋華賞では1番人気の
アエロリットが、直線早々に勝負圏内から脱落。2番手でレースを進めて、それまでの戦績で
ワーストの7着に失速しました。
アエロリットは、前走で古馬相手の
クイーンSを逃げ切り勝ちした確かに強い馬でしたが、なぜここで惨敗したのか?
原因はレース当日の馬場悪化が、騎手の意識を上回るほと激しかったのもありますが、そもそも
秋華賞は逃げ、先行馬が至難のコース形態だからです。実際に
秋華賞の過去10年の優勝馬を見ても、先行策から押し切ったのは2011年の
アヴェンチュラのみ。他の年は中団より後方でレースを運んだ馬が優勝しています。また、昨年にいたっては
ディアドラの大外一気が届いたほど。
まず、
秋華賞が行われる京都内回りの芝2000mは、最初の1コーナーまでの距離が約300m。しかし、最後の直線距離も短く約400mしかありません。このため最初の1コーナーでハナを主張したい逃げ候補馬と、向正面で動いて少しでも位置を上げておきたい差し・追い込み馬との相関関係から、例年、淀みないペースが発生します。
逃げ馬不在、先行馬手薄の上に、二冠馬
ジェンティルドンナにマークが集まった2012年こそ5ハロン通過62秒2の超々スローペースでしたが、例年は5ハロン58〜59秒台。このペースだと高速馬場でも先行馬が簡単に粘れるペースではありません。5ハロン通過58〜59秒台の年の逃げ馬は、惨敗の連続です。
私自身は、前走の
藻岩山特別を淀みないペースで逃げ切った
ミッキーチャームは、とても強い馬と認識しています。実際に前走でマークした指数は、
オークスと比較しても1ptしか差がないもの。
オークスに出走していたら、
アーモンドアイと0.1秒差の2着に該当するとても優秀な数字でした。
また、逃げ馬は、逃げて苦しいレースをしているうちに持久力がついて、どんどん強くなります。
アエロリットや
マテラスカイのように、どこかで人気を裏切るけれど、気がつけば恐ろしく強くなっていることがあるのが逃げ馬です。
ミッキーチャームもそういう意味でなら、
ワンチャンスあります。しかし、「穴馬を1頭だけ挙げろ」と言われたら、躊躇してしまいます。今年は逃げ・先行馬が揃っていて、ハイペースが見え見えだから、なおさらです。
そこで今回、穴馬の厳選1頭に取り上げたいのは、8分の4の確率の
秋華賞出走権を抽選で当てた
ダンサールです。この馬が
M.デムーロ騎手であれば、先行しないはず。レースで前へ行くことは、出遅れるよりも厳しいことだとよく理解している騎手ですから、下級条件では前に行くことがあってもG1の舞台では、中団より後方を意識するでしょう。今年の
大阪杯のような異次元レベルのスローペースではない限り。
実際に
ダンサールは前々走の500万下で、4コーナーで大外に弾き飛ばされる不利がありながらも、ものすごい脚色で伸びてメンバー最速の上がりタイムをマークしました。そもそもス
トライド走法なのに脚の回転数も速いという……。もちろん、指数の裏付けもあります。前走の500万下は凡タイムですが、
オークスに出走なら0.4秒差の3着に該当するものです。
確かにそれくらいのレベルなら他にも何頭か候補がいるのですが、この馬の推しは、なんと言ってもキャリアが浅いことです。キャリア4戦目で古馬1000万下レベルの指数をマークできる馬はそう多くないし、競走馬はデビュー5戦目くらいまで指数を上昇させてくることが多いもの。前走のパフォーマンスに成長力というプラス
アルファを見込めば、馬券圏内突入か!?
(文=山崎エリカ)
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