マイルCSの前哨戦。GIII戦ながら近年は重要性が増しており、2011年の
エイシンアポロン、2014年の
ダノンシャーク、2017年の
ペルシアンナイトと、ここを
ステップにした馬が
マイルCSを勝利している。
ただし、この3頭のうち、
ダノンシャークは7着、
ペルシアンナイトは5着と、いずれも
富士Sでは馬券圏外に沈んでいた。前哨戦ということもあって、
富士Sはペースが落ち着くことが多い。中距離戦に近い流れになって、マイル路線の序列がストレートに反映されにくい難しさがある。
1.中距離戦での経験が活きる
2000m以上の距離からの短縮で臨む馬が最近4年間で3勝している。昨年の勝ち馬
エアスピネルは
札幌記念からの臨戦で、2015年の勝ち馬
ダノンプラチナは
皐月賞以来、2014年の勝ち馬
ステファノスは
セントライト記念が
ステップだった。前述の3頭はいずれも、前走で馬券圏外に沈んでいたという点も共通している。
2.サマーマイルシリーズ組不振
サマーマイルシリーズが創設された2012年以降昨年までの6年間の連対馬12頭のうち、前走でサマーマイルシリーズを使われていた馬は3頭だけだった。昨年は1番人気の
グランシルクを筆頭にサマーマイルシリーズ組が6頭いたが全滅。
3.斤量を背負った馬が強い
58kgを背負った
イスラボニータが昨年、一昨年と連続2着して、2015年も58kgの
ロゴタイプが3着。昨年3着の
クルーガーも11番人気だったが、前年の
マイラーズCを勝って57kgを背負った実績馬だった。ちなみに、58kg以上を背負った馬は過去10年間で連対率37.5%・複勝率50%。
ウインブライトは
中山記念と
スプリングSの勝ち馬。
中山記念では正攻法で
アエロリットや
ペルシアンナイトを封じ込めたのだから価値が高い。ここまで重賞に連続8戦使われているが、連を外したのはGIと
毎日王冠だけ。GIIIなら上位安定の実力馬である。久々のマイル戦になるが、しぶとさを活かすにはむしろプラスに働く可能性がある。