阪神JFへの
ステップレースだが、
アルテミスSが創設されてからはメンバーが分散するようになり、かつてのような重要性は失われている。このレースを
ステップにして阪神JFで連対したのは、2012年の
ローブティサージュが最後となっている。同じ週の京王杯や翌週のデイリー杯とメンバーが分散する傾向もあって、頭数も落ち着きやすい。それがまた、レースの性格にも影響を与えている。
1.速い上がりが要求される
最近4年間のレースの上がり3Fは、古い方から順に34.4、34.2、34.5、34.9。いずれも前半より後半が速くなっている。頭数が落ち着く→ペースが緩む→速い上がりが要求されるという図式で、勝ち切るためにはスピードよりもキレ味、瞬発力が重要になっている。
2.キャリアは関係ない
レース上がりが速くなるのと軌を一にして、重賞やオープンの実績馬が苦戦するようになった。最近3年間の勝ち馬はいずれも新馬か未勝利を勝ったばかりの馬たちで、昨年は
中京2歳Sを勝って1番人気に支持された
アマルフィコーストが3着。
カンナS勝ちの
ペイシャルアスは2番人気で6着だった。
3.距離短縮組が優位
過去10年のこのレースで、前走から距離短縮で挑んだ馬の連対率は34.5%。距離延長が10.9%で、同距離が6.9%だから、その優位性ははっきりしている。より長い距離で脚をためる競馬をした経験が、上がりが速いレースを勝ち負けするために必須となっている、というデータ。
ダノンファンタジーは前走の未勝利戦をほとんど追うところなく完勝。
グランアレグリアの前に屈したとはいえ、新馬戦で東京マイルを1分33秒台で走破した実力を考えれば、驚くには値しないパフォーマンスだったかもしれない。馬体重18kg増の前走を叩いた上積みも見込めるし、やや行きたがる面があるので距離短縮もプラスに働きそうだ。