「
エリザベス女王杯・G1」(11日、京都)
惜敗続きからの脱出を目指すのはG1・2着4回の
リスグラシューだけではない。悔しい思いを重ねているのは
フロンテアクイーンも同じだ。これまで重賞2着が5回。昨年9月の準オープンから前走の府中牝馬Sまで7戦連続複勝圏(2着5回、3着2回)と、安定感は抜群だが、1着だけが遠い。管理するのは史上初となる牝馬限定G1完全制覇に王手をかける国枝師。大一番で善戦ウーマン脱却を狙う。
大一番で念願の“1等賞”を狙う。全成績(2・9・3・8)。わずか2勝の
フロンテアクイーンだが、それに見合うだけの地力があるはずだ。これまで5回にわたる重賞2着の本賞金でオープン馬に。うち3回は勝ち馬と1馬身未満の小差だった。
佐藤助手が彼女の悔しさを代弁する。「どうも勝ち切れないけど、ビュッと切れる脚があるからね。2着っていっても、たまたま来ているわけじゃない。昨年の
ターコイズS(勝ち馬
ミスパンテールとタイム差なしの首差)だって、勝ちに等しい内容だった。実績的にはこのメンバーでも、そんなに差はないよ」
前向きな材料はたくさんある。まずは何より状態がいい。府中牝馬Sを使っての休み明け2走目。順当に大きな上積みが期待でき、先月31日の1週前には、美浦坂路で4F50秒6-12秒8。その日の坂路一番時計をたたき出した。「体にもうひと絞りあってもというところだけど、先週は素晴らしい時計を出したからね。輸送もあるから」と今週末にきっちり
ピークを持ってこられるように、仕上げ人はそろばんをはじく。
第2に近況の成長が著しい。若駒のころは気性の激しさが目についたが、もう5歳馬。落ち着きを保てるようになった。蛯名は「落ち着きが出ているからね。距離は微妙だが、
秋華賞(16年14着)の時より力をつけているし、うまく立ち回れれば大丈夫じゃないかな」と自信を見せる。初のオープン勝ちをG1で飾る。そんなドラマチックな結末は夢物語ではない。
提供:デイリースポーツ