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【エリザベス女王杯】“すんごい脚”で連覇を達成したスノーフェアリー/女王連覇物語

  • 2018年11月11日(日) 12時00分
今年、連覇を狙うのはモズカッチャンだが、彼女の前に史上3頭目の連覇を達成したのは、競馬発祥の地、イギリスからやってきた牝馬だった。「女王連覇物語」最終回は、2010年・2011年のスノーフェアリーをお届けする。

■絶妙な進路取りと強烈な末脚で連覇を達成

 英愛オークス馬スノーフェアリーが、エリザベス女王杯で日本のGIを制したのは2010年のことだった。この年、迎え撃つ日本馬は史上初の3歳牝馬4冠を狙うアパパネら。人気はアパパネが2.7倍、メイショウベルーガが3.1倍、アニメイトバイオが7.2倍と上位3頭を日本馬が占め、スノーフェアリーは8.5倍の4番人気に留まった。初めての長距離輸送や日本の硬い馬場は合わないだろうと推測されたのだ。

 レースはテイエムプリキュアがハナに立ち、アパパネは5〜6番手、その直後の外をアパパネをマークする形でスノーフェアリーが追走する。テイエムプリキュアは軽快な逃げで8馬身ほどリードを広げ、隊列は縦長に。直線を向いても先頭に立っていたテイエムプリキュアだったが、4コーナーで内に進路を取ったスノーフェアリーが、内から並ぶ間なくテイエムプリキュアを交わし残り200mで先頭に立つ。思わず実況アナウンサーが「すんごい脚」というほどの末脚で後続を一気に突き放すと、あとは独走状態に。大外からメイショウベルーガが追い込むも差は4馬身、大勢は決したあとだった。レースを見た者に強烈な衝撃を与えて、海外馬初のエリザベス女王杯を手にしたのである。3歳時は英・愛・日・香で7戦5勝した。

 翌2011年は脚部不安などもあり7月から始動、4か月間で5戦して凱旋門賞3着など安定はしていたが未勝利。そして休むことなく、エリザベス女王杯連覇を目指して再来日した。

 この年の日本馬は、JRAの牝馬GI完全制覇がかかるアパパネ秋華賞アヴェンチュラ、そこまで4戦無敗のレーヴディソールなどが立ち向かった。ただ、前年のインパクトが強かったようで、スノーフェアリーが2.7倍の1番人気に支持され、2番人気アヴェンチュラ(4.8倍)、3番人気レーヴディソール(7.3倍)、4番人気アパパネ(10.0倍)という人気順でレースを迎えた。

 レースはシンメイフジが大逃げを打ち、アパパネは4番手の内、1馬身後ろの内にアヴェンチュラが追走。大外枠から出たスノーフェアリーは、後方5〜6番手を進む。1000m通過は57.5秒で、前年よりも2.6秒速いペースだった。スノーフェアリーは3コーナー手前で中団の内に入り直線を向く。残り100mで内を伸びたホエールキャプチャが先頭に立ち、外からアパパネアヴェンチュラが並びかけようとする。ここで、ホエールキャプチャアパパネの間から突き抜けたのが、またもやスノーフェアリーだった。最後にアヴェンチュラが迫るもクビ差振り切り、史上3頭目のエリザベス女王杯連覇を達成した。

 鞍上のライアン・ムーア騎手が「ギアアップしたときのスピード。肝心なときにパッと出ていけるところがこの馬の長所」と語る通り、スノーフェアリーのスピードと瞬発力は、日本の馬場でも爆発した。また、内に進路を取ったムーア騎手の見事な手綱捌きも、連覇を後押ししたといえる。来週から短期免許で来日予定のムーア騎手、今年はどんな騎乗で魅了してくれるだろうか。

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