スマートフォン版へ

【マイルCS】マイルで7戦無敗 5馬身差圧勝で連覇のタイキシャトル/マイル春秋制覇物語

  • 2018年11月14日(水) 21時00分
 今年、春秋マイルGI連覇を狙うのは、モズアスコット(牡4、栗東・矢作芳人厩舎)。過去には秋春秋のマイルGI3連勝を達成した馬が3頭いる。『春秋マイル連覇の名馬』、今回は1998年のタイキシャトルをお送りする。

■マイルで7戦7勝、栗毛の最強マイラー

 1997年。3歳4月にデビューしたタイキシャトルは、7か月後のマイルCSまでに6戦5勝した。4戦目の菩提樹Sでは競走生活で2回しかない敗戦を経験するものの、ユニコーンSで重賞初制覇、古馬初対戦のスワンSで芝重賞を初制覇するなど、着実に勝利を重ねていた。

 スワンSを勝って迎えたマイルCSだったが、1番人気は古馬相手の安田記念毎日王冠で3着していた同期のスピードワールドに譲り、タイキシャトルは2番人気だった。

 レースを引っ張ったのは、これもまた同期の桜花賞キョウエイマーチタイキシャトルは4〜5番手につけた。1000m通過が56.5秒という超ハイペースのなか先頭を守り続けたキョウエイマーチだったが、タイキシャトルが襲いかかる。あっさりと交わすと2馬身半差をつけてGI初勝利。ハイペースを先行しメンバー最速の上がりで抜け出す競馬によって、タイキシャトルの強さを誰もが認めることとなった。

 続くスプリンターズSには前年優勝のフラワーパークらが出走していたが、タイキシャトルは1.9倍の断然人気に応えてGIを連勝した。同一年にマイルCSスプリンターズSを制したのは初めてのことだった。

 1998年。春の目標を安田記念としたタイキシャトルは前哨戦の京王杯SCに出走し、いつものように好位から進み、終始馬なりでレコード勝ちを収めた。

 そして迎えた安田記念、ファンは単勝オッズ1.3倍の期待をかけた。

 内枠からスタートしたタイキシャトルは、好位の中ほどに進路を取る。直線は粘り込みを図った香港のオリエンタルエクスプレスをねじ伏せるように交わすと、2馬身半差でゴール。「夢は世界へ飛び立つか」という実況が響くなかでの完勝だった。

 レース当日は泥が跳ね上がるほどの不良馬場だったが、タイキシャトルには問題なし。むしろ、好走できたことで欧州のタフな馬場にも対応できると期待が高まっていった。

 期待は現実になった。ドーヴィル競馬場の芝直線1600mで行われたジャック・ル・マロワ賞で、タイキシャトルは見事に海外GI初制覇を果たす。海外競馬に挑戦してきた岡部幸雄騎手にとっても悲願の勝利で、競馬ではクールな岡部騎手が表彰式で涙を見せたという。

 凱旋レースは、連覇がかかるマイルCSとなった。このときも安田記念と同じ単勝オッズ1.3倍に支持された。

 好位3番手を進んだタイキシャトルは、このときも逃げるキョウエイマーチに襲いかかった。直線半ばで捕らえ、その後に岡部騎手の手が動くとさらに反応してぐんぐん脚を伸ばし、5馬身差で連覇達成。実況アナウンサーが「これが世界の脚だ」という通り、世界を制したスピードと末脚を日本のファンに披露した。

 次走、引退レースのスプリンターズSは3着に敗れる。競走生活で2回のみの2回目の敗戦だった。

 競走成績は13戦11勝、マイル戦は7戦7勝である。芝もダートも道悪も何でもこなし、海外遠征を挟んで連勝を続けた。

 春秋の国内マイルGIを3連勝した馬は3頭いる。ただ、3戦すべてで2着馬に2馬身差以上の着差をつけたのは、タイキシャトルのみ。これも最強マイラーと呼べる理由のひとつかもしれない。

みんなのコメント

ニュースコメントを表示するには、『コメント非表示』のチェックを外してください。

ミュート・コメント非表示の使い方
  • 非表示をクリックし「このユーザーの投稿を常に表示しない」を選択することで特定のユーザーのコメントを非表示にすることができます。(ミュート機能)
  • ※ミュート機能により非表示となった投稿は完全に見えなくなります。このため表示件数が少なく表示される場合がございますのでご了承ください。なお、非表示にしたユーザーはマイページからご確認いただけます。
  • 『コメント非表示』にチェックを入れると、すべてのニュース記事においてコメント欄が非表示となります。
  • ※チェックを外すと再びコメント欄を見ることができます。
    ※ブラウザを切り替えた際に設定が引き継がれない場合がございます。

アクセスランキング

注目数ランキング

ニュースを探す

キーワードから探す