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【マイルCS】安田記念からの直行で勝利、絶対王者として君臨したモーリス/マイル春秋制覇物語

  • 2018年11月18日(日) 13時15分
 春秋マイルGI連覇を狙うモズアスコットは、スワンSからの臨戦。今年は他の出走予定馬も、秋に1戦以上使われて本番へ挑むが、2015年の優勝馬は5か月半ぶりの実戦、しかも安田記念からの直行は未勝利というジンクスを破ってのものだった。『春秋マイル連覇の名馬』、最終回はモーリスをお送りする。

■さまざまな困難を跳ねのけ誕生したマイルの絶対王者

 モーリスの連勝は4歳の1000万条件から始まった。年明けの1000万特別で中団から抜け出し3馬身差で快勝すると、1600万特別はスローペースで後方一気を決め、ダービー卿CTも前走同様に直線をメンバー最速の上がりで駆け抜けるレースレコードで、重賞初制覇。3連勝で初のGIとなる安田記念へ挑む。

 レースはスタートで出負けしたものの挽回して好位につける。そして、直線の坂を上がり川田将雅騎手が出すゴーサインに応えて先頭に立つと、最後はヴァンセンヌをクビ差凌いだ。4連勝でGIホースの仲間入りを果たしたのである。レース後の川田騎手は「久々に騎乗したがたくましく成長していて、今日は強気に乗ることが出来た」と、約1年ぶりに跨ったモーリスの成長を勝因のひとつにあげた。

 秋緒戦は毎日王冠が予定されていたが、体調が整わず回避。マイルCSへは安田記念からの直行となった。

 GI馬9頭が顔をそろえたマイルCSは、イスラボニータがマイルGI初出走ながら1番人気、前年2着の雪辱を期すフィエロが2番人気、モーリスは4番人気だった。

 先行争いから先頭に立ったのはレッツゴードンキ。外枠のモーリスは課題のスタートを決め、道中は中団の外をスムーズに進む。その内にはフィエロ、半馬身後ろの内にサトノアラジンが続き、スタートで遅れたイスラボニータは中団後方を追走する。直線に入り各馬がスパートを開始すると外からモーリスが脚を伸ばし、残り200mを切ったところで先頭に立つ。負けじと伸びるフィエロ、馬群の間を割ってきたイスラボニータを引き離し、外から猛追したサトノアラジンも振り切ってゴール。5連勝で春秋マイルGI連覇を果たした。

「理想は内枠で、もう少し流れてくれれば良かったが、いいスタートを切れていい位置につけられた」とは、京王杯2歳S以来、約2年ぶりに騎乗したR.ムーア騎手。直線はライバルをまとめてねじ伏せる「堂々とした競馬」(ムーア騎手)で、好位から抜け出した安田記念とはまた違う強さを見せつけた。

 ムーア騎手はレース前から「当時(京王杯2歳S時)と違い、いまは馬体ができてきた」といっており、レース後も「心配と聞いていたイレ込みも問題なかったし、輸送やスタートをクリアしたというのは成長の証し。レースを勝ってどんどん成長していくと思う」と成長と将来性を語った。このとき、美浦トレセンから京都競馬場への輸送で渋滞に巻き込まれ、到着に11時間半もかかっていたのだ。安田記念以来の実戦も長時間輸送も問題にせず、課題のスタートも折り合いもクリアし、モーリスはマイルの絶対王者の座に就いた。

 その後も日本と香港で好走を続け、5歳で引退。1歳夏のサマーセールでは150万円、2歳のトレーニングセールでは1,050万円で落札されたが、素晴らしい成長力と進化で、国内外あわせて10億8,368万5,700円の生涯獲得賞金を積み上げた。

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