皆さんご存知とおり、今春の
ヴィクトリアマイル制覇のパートナーであり
ジュールポレールの主戦を務めてきた
幸英明騎手が先週の競馬で落馬負傷したため、今回は石川騎手が手綱を取ります。
幸騎手はホントにホントにいい方で、少々厳しい質問をしても真摯な態度と紳士な笑顔でわかりやすく答えてくれました。
ジュールポレールの取材をしたときは、自分が
ジュールポレールに騎乗するきっかけとなったのは「西園先生をはじめ、谷八郎厩舎時代からの兄弟子である山本さん(
ジュールポレールの調教パートナーでもある西園厩舎の山本調教助手)に声をかけていただいたから」と話していました。
「すごく皆さんに支えて貰っているんです」
これほどの騎手になっても、見習い騎手時代に厩舎でお世話になった調教助手さんをはじめ、携わるスタッフの皆さんひとりひとりに気を配り大切にされている。なかなか出来ることではないと思いますし、わたしはホントに幸さんという方の真っ直ぐさや素晴らしさに感激しました。全治半年ということで既に5歳の秋を迎える
ジュールポレールに再び騎乗するのはタイミング的に難しいかと察します。でも、きっと兄弟子が仕上げた
ジュールポレールを見守っているはずです。
そして、今の
ジュールポレールは昨年とはまるで状態が違います。昨年の
エリザベス女王杯は右前の蹄を気にしており、それをかばうために左の肩の出まで悪くなっていたのですから。そして、西園師は昨年の
エリザベス女王杯の後、すぐに
ジュールポレールを放牧に出すとその原因究明に当たりました。
「装蹄師と一緒に毎週放牧先へ通って研究しました。すると、右前脚の蹄の内蹄踵の白線(蹄の裏側にある白い部分の外周)が珍しいかたちをしていて、それが原因で蹄を痛がっていたのがわかったんです」(西園師)
さらにその特徴を考慮した蹄鉄の研究を重ね、ようやく今年の春、順調に調教を重ねられるようになったのです。
幸騎手は
ジュールポレールを
「真面目で一生懸命走ってくれます。
ジュールポレールは賢くて少々感情がたかぶっても冷静さを失わない馬なんですよ」
と評していました。そんな彼女なら、きっと新しいパートナーの指示にも冷静に応えてくれると思います。
(取材・文:花岡貴子)