今年の牝馬三冠馬の
アーモンドアイ(牝3・美浦・
国枝栄)がウッドチップコースで、
クリストフ・ルメール騎手を背に最終追い切りを行った。追い切り後、
ルメール騎手と国枝調教師が共同記者会見に臨んだ。
■
ルメール騎手(今朝の追い切りの感触は?)
「今朝は2頭で併せました。とても良い追い切りでした。彼女は最初から
リラックスして、フットワークはとても良かったです。3、4コーナーからペースアップしました。直線で良い脚を使いましたし、コンディションは良さそうです」
(先週の追い切りと比べると?)
「先週は少し軽い追い切りでした。今回は
ジャパンCの週でもう少し速いペースで走りました。コンディションがアップしたと思います」
(前走の
秋華賞を振り返って)
「素晴らしいレースでした。後ろのポジションから加速してくれました。残念ながら3コーナーで大外の進路を進まなければいけませんでしたが、彼女の能力はすごいですから、勝つことができました。素晴らしい仕上げでしたね」
(
秋華賞の会見時は95パーセントの仕上がりとのことだったが、今回は?)
「今回はだいたい100パーセントだと思います」
(
秋華賞時と比べて今回変わってきた点は?)
「今回は多分、スタート前にもう少し
リラックスすることができるでしょう。道中はいつも乗りやすいです。
秋華賞の時は馬場入りの時もエキサイトしました。今回は多分、もっと良い感じだと思います。心身ともに充実していますし、良い結果を出すことができるでしょう」
(東京の2400mの舞台について)
「皆にとって大変な距離ですね。でも彼女は府中で
オークスに勝ちました。彼女にとってコースは問題ないと思います」
(以前
ウオッカでこのレースを制している
ルメール騎手にとって、
ジャパンCとは?)
「世界で
ジャパンCはとても有名なレースです。日本で賞金が1番高い。いつも勝った馬がスーパーホースになりますね。とても大変なレースです。有名ですから、是非勝ちたいですね」
(そのレースに三冠牝馬の
アーモンドアイでチャレンジする気持ちは?)
「今年三冠は
アーモンドアイの1番の目標でした。三冠取ってとても良かったです。今週は彼女の(今年)最後の挑戦です。今回は古馬相手で結構難しいレースになりますが、能力はありますので、自信を持って乗りたいです」
(
アーモンドアイはどんな馬か?)
「ほとんど完璧な馬ですね。とても賢い馬です。頭が良くてすべきことを良く知っています。1番良いところは、瞬発力です。直線でトビがすごく大きいです。力をたくさん使います。心臓も強いです。悪いところがないです」
(乗っていて実際どのような感じ?)
「加速する時はすごく良い感じです。フェラーリに乗れば同じくらいですね。ギアがすごい良い感じです。特別な馬ですね」
(最後にファンにメッセージを)
「今週の
ジャパンCは、
アーモンドアイの最後の挑戦です。もう1度
アーモンドアイを応援してください。よろしくお願いします」
■国枝調教師
(今朝の追い切りの狙いは?)
「先週良い動きができていましたので、同じような感じでやれば良いだろうと思いました。(動きは)良かったと思います」
(追い切り後
ルメール騎手とは?)
「彼も満足していたようで『申し分ない、問題ない』と言っていました」
(
秋華賞を振り返って)
「いろいろな要素があったのですが、競馬に行ったら自分の仕事をサッとやってくれて、すごい馬だなと思っています」
(レース後の様子は?)
「多分熱中症ではないかなと思うのですが、体が動かないような状況になりました。ただそれは一過性で、治療をして良くなったら全く問題ありませんでした。その後も良く様子を見ていたのですが、問題がないので
ジャパンCということになりました。その後は牧場に出て順調に来ました。予定通りこちらに帰厩して、追い切りをして順調です」
(
秋華賞では馬体重が増えていたが、成長は?)
「あの時はだいぶ間があいて数字も増えていて、体付きも少し余裕がありました。今回数字は前回と同じですけど、やはり1回使われているので体にシャープさが出てきたのではないかと思います」
(後ろ脚の踏み込みが深くて前脚にぶつけて爪を痛めるということもあり、
秋華賞時は坂路で追い切っていたが、今回はウッドチップコースでの追い切りということで何か工夫した点などは?)
「基本的にはダメージを治すというところだったのですが、思いのほか蹄の治りが早かったですね。右前脚には鉄橋の蹄鉄(間に橋のように鉄板が架けられた蹄鉄)を履かせていますが、全く問題なく来ましたので良かったです」
(東京の2400mにコースが替わるが?)
「競馬のしやすいコースですし、実際
オークスで結果が出ていますので、あのようなイメージで競馬ができればと思います」
(古馬相手という新たなステージにチャレンジとなるが?)
「どうかなという不安もありますが、楽しみの方が大きいですね」
(
ジャパンCというレースにはどのような思いを?)
「創設の時からすごく憧れのレースでしたし、出られるのはすごく嬉しいですね」
(最後にファンにメッセージを)
「とても可能性を秘めた牝馬で、良いパフォーマンスを見せられると思いますので、期待をしてもらいたいです」
(取材・文:佐々木祥恵)