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【ジャパンC】岩田康誠騎手とのコンビで最強を証明したブエナビスタ/JC名牝列伝

  • 2018年11月22日(木) 22時45分
 今年のジャパンカップで、史上5頭目の牝馬制覇に期待がかかるアーモンドアイ。『ジャパンカップ名牝列伝』では、過去に牝馬制覇を成し遂げた4頭を振り返る。今回は、2011年のブエナビスタをお送りする。

■前年降着の雪辱を果たす約1年ぶりの勝利

 ブエナビスタの最初のジャパンカップは2010年。この年はヴィクトリアマイル天皇賞・秋を勝つなど、ドバイシーマクラシックへの海外初遠征を含めジャパンカップまでに5戦3勝2着2回。そのなかで迎えたジャパンカップでは、単勝オッズ1.9倍の断然人気に推される。この年はブエナビスタを筆頭に、凱旋門賞2着のナカヤマフェスタら8番人気までを日本馬が独占していた。

 レースは1000m通過が60.7秒のゆったりとした流れ。押し出される形で先頭に立ったシンゲンが直線までリードを保ち、ブエナビスタは道中後方から4コーナーで大外を回って位置を上げていく。そして直線ではメンバー最速の上がりを使い、好位から伸びようとしたローズキングダムや抜け出しを図っていたヴィクトワールピサを捕らえ、ローズキングダムに1馬身以上の差をつけた。

 天皇賞・秋に続いて騎乗したC.スミヨン騎手は、ゴール後に観客へさらなる歓声を求めるアピールをしたり、脱鞍所ではジャンプして馬の背から飛び降りるなど、勝利の喜びをあふれさせていた。

 ところが。複数の審議対象から、残り200mあたりでローズキングダムの進路が狭くなった件で、ブエナビスタが内に斜行し妨害したものとして2着に降着となってしまったのである。スミヨン騎手は「関係者に迷惑をかけてしまった。ここは日本なので日本のルールに従う。ただ、能力は見せられたと思う」とコメントを残した。この年は7戦し3勝2着4回と一度も連対を外さなかったが、ジャパンカップの2着はとりわけ悔しいものとなった。

 翌2011年のジャパンカップも、ドバイ(この年はドバイワールドカップ)から天皇賞・秋まで同じ臨戦過程で4戦したが、一度も勝利をあげられずにジャパンカップへ挑むこととなった。この年参戦した日本馬はGI馬が7頭、ほか重賞勝ち馬も5頭の豪華メンバー。そのなかでこれまで国内レースはすべて1番人気だったブエナビスタは、生涯初の2番人気での出走となった。1番人気は凱旋門賞デインドリーム、3番人気に天皇賞・秋3着のペルーサが続いた。

 レースはアメリカのミッションアプルーヴドがハナを切り、ブエナビスタは好位の内を追走する。直線で前にスペースができると反応よく突き、先に抜け出していたトーセンジョーダンに並びかけると、最後は叩き合いをクビ差制してGI・6勝目のゴールを駆け抜けた。前年の天皇賞・秋以来、約1年1か月ぶりの勝利で、前年の雪辱を果たしたのである。

 この年の春からブエナビスタの手綱を取ってきた岩田康誠騎手は、ゴールの瞬間、渾身のガッツポーズと雄たけびをあげた。レース後には「やっとブエナビスタの本当の走りを見せられた。現役最強馬だということを証明できた」と話した。ブエナビスタ関係者すべての思いが詰まった言葉だった。

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