今年で第20回を迎える
兵庫ジュニアグランプリ(JpnII)は11月28日、
園田競馬場10R・1400mを舞台に行われる。過去のレースを振り返ると
JRA勢が15勝、地方勢が4勝と、勝ち数では
JRA勢が圧倒的な成績を残しており、ほかの交流ダート
グレードと違わず、
JRA勢が有利となっている。
ただし、気をつけておきたいのは、勝ち鞍数こそ
JRAが断然だが、上位を独占したケースはわずかに3回。この時期の2歳戦だけに、キャリアを積んだ完成度の高い道営、南関東勢が食い込むシーンが目立つのもひとつの特徴といえるだろう。よって、馬券攻略は
JRA勢を中心に、道営、南関東所属馬を絡めるのが基本となる。地元の兵庫勢は近年、上位馬の出走が少なく、苦戦傾向となっている。
JRA勢のなかで、最も注目したいのが
オルトグラフ。デビューから2戦2勝の素質馬で、前走は外、外を回しての完勝。秀逸なパフォーマンスを見せた。キャリアは2戦で、まだまだ粗削り。それでも勝ち切るあたりに、相当な能力を感じる。内枠も発馬に心配がないだけに、好材料。中心とみるべきか。
イッツクールは、芝とはいえオープン勝ちの実績。ダートは新馬戦以来となるが、当時は出遅れに加えて、直線は何度も前をカットされる不利。度外視するのが妥当だ。さらに加えて、今の園田の馬場は砂の入れ替えによりスピード優先が顕著。同馬にとっては好材料となりそう。同じくプラスに働きそうなのが
シングルアップ。芝の短距離で2勝をあげ、いいスピードを秘めている。初ダートも、血統的な背景からは面白そうだ。
デンバーテソーロは、前走の門別で地方のダートを経験できたのは大きい。完成度の高い道営馬を相手にやれたことは評価できる。軽くは扱えない。一方で、取捨が難しいのが
デルマルーヴル。前走の勝ちっぷりからも力があることはいうまでもない。ただし、前々走のようなド派手に見えるレースは過大評価につながりがち。広いコースと違い、園田の馬場での出遅れは相当なロスで、致命傷にもなりうる。思い切って外して買う手もあるか。
地方の遠征組では道営の
リンゾウチャネル。前走の
鎌倉記念は2着も走破時計の1分34秒9は、同日の古馬A2・B1クラスの勝ち時計1分34秒8と比べても、この時期の2歳馬としては十分な好タイムといえる。決して派手な戦歴ではないが、
JRA勢に一泡吹かせるシーンも考えられるだろう。
小久保厩舎の2頭も無視できない。
トーセンガーネットは、地元の南関東ですべて馬券絡み(2走前は1位入線も記録上は失格扱い)。陣営も好ムードを漂わせる。もう一方の
ホールドユアハンドは、移籍初戦となった前走を快勝。
JRA在籍時には新馬勝ちを収めている。立て直してきた今なら怖い存在になる。
地元からは4頭がエントリーしているが、一線級ではなく、力的に苦しそう。見送りが賢明か。
(取材・文=スポーツニッポン・桑原勲)
園田のことは地元に精通した記者に聞け! スポニチ桑原が出した
兵庫ジュニアグランプリの結論とは?