今週のトレセンは比較的暖かい日が続いた。特に午後はこの時季としては汗ばむような陽気もあった。雨は28日の夜から降っており、量としてはかなり多かったが、翌日の調教開始時間にはすでに止んでいた。
ウッドチップ馬場に影響を与えるほどではなかったものの、陽の当たりにくい運動場は水たまりができたままだったので、さすがにこの時季の雨といった感じがする。
【坂路/4F51.9秒】
11月28日。一番時計は
タイセイスターリー(栗東・
矢作芳人厩舎)の4F50.3秒。4F50秒台はこの馬を含めて4頭いて、4F51秒台の頭数もそこそこ。どこかしらの区間で11秒台のラップを踏んでいる馬も多かったことを思えば、基準時計通りの馬場だったと判断してよい。
この日の追い切りで動きが目立ったのは
ココファンタジア(栗東・
友道康夫厩舎)。浜松S(12月1日・中京芝1200m)に出走予定だが、単走で軽快に坂路を駆け上がってくる。ピッチの回転数が上がった、後半2Fは25.0秒、1F12.2秒。この動きだけを見れば、やはりス
プリント戦には高い適性がありそう。
11月29日。一番時計は4F51.0秒の
ワンダーピルエット(栗東・
小崎憲厩舎)。テンから12秒台のラップを踏んでいっての時計だったが、最後は13.5秒まで失速。時計の速い馬場なら、ここがもっと速くなるはずなので、この日も前日同様、基準時計通りという判断でよいだろう。
先週の馬場差は「±0.0秒」。今週も時計の出方は先週とほぼ同じ状態で、基準時計通り。よって今週の馬場差も『±0.0秒』で記録している。
【CW/5F66.0秒】
28日。朝一番から、久しぶりに好時計が連発しているという印象を受けた。6F80秒以下も多数出ており、6Fが速い上、ラスト1Fも速いという、久しぶりに走りやすい馬場に戻ったという印象を受ける。
それだけに、動きの良い馬が目立ったが、その中でも
オールイズウェル(栗東・
佐々木晶三厩舎)。併せ馬で外を回る展開だったが、最後は追い出して楽々と先着。時計は6F81.0秒、1F12.0秒。時計が出る馬場だったことを考慮しても、外を回っての3F37.4秒は価値がある。レースは来週の
エリカ賞(阪神芝2000m)を予定している。
29日。馬場状態としては前日とほぼ同じ。走りやすい状態だったが、朝一番に追い切ったのが、
中日新聞杯(12月8日・中京芝2000m)の出走を予定している
ギベオン(栗東・
藤原英昭厩舎)。
ダブルバインドとの併せ馬だったが、1秒ちょっと離れた位置から追走する内容。道中のラップは少し遅めだったが、3コーナーから4コーナーで前との差を詰めていき、最後の直線では内から前を捕まえにいく。
仕掛けられてからはきっちり伸びて、先着でゴール。時計は6F82.6〜5F67.2〜4F52.9〜3F38.1〜1F11.9秒と数字的にはごく平凡だが、動き自体は力強く、しっかりとしている。
先週の馬場差は「-0.5秒」。今週は先週と比較しても、明らかに速い時計が出ている。今週の馬場差は先週よりも速い『-1.0秒』で28日、29日とも記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は29日に別ニュースでお知らせした
マカヒキ(栗東・
友道康夫厩舎)の追い切りがあったり、新馬の追い切りがあった。その動きを見ていると、適度なクッションがあるものの、緩さは一切ない。かなり走りやすい馬場状態といった印象だけに、馬場差は28日、29日とも『±0.0秒』で記録している。
最近のポリトラック馬場は水曜と木曜で合計30頭をちょっと超えるくらいの追い切り頭数。今週の馬場差も先週と同じ『+0.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・文:井内利彰)