今週の取材で特に印象深かったのは、共同記者会見で福永騎手がいつも以上に饒舌だったことです。中でも、この部分は熱く語っていた印象があります。
「今でこそ自在性が武器みたいに言われていますけれども、一番自在性がなかった馬でしたから。二番手でもムキになって脚がたまらないような馬でしたから。
それは
帝王賞(2017年6月)でスタートで躓いて差すかたちで勝てたというのが大きかったと思います。あれをきっかけにいろいろできる馬になるんじゃないかな、と思いました。でも、それは一朝一夕にできるものではないですし、結構時間がかかりました。それが、二走前の船橋(2018年10月、
日本テレビ盃)の競馬でああいうかたちで勝つことが出来たときに、もう試すことはないな、と。戦法、脚質に関してはいじるところはないな、と思いました」(福永騎手)
ケイティブレイブに乗りながら、ホントにいろんなことを試行錯誤しながらやってきて、ようやくそれがひとつの結果につながった。そんな印象を受けました。
担当の房野助手からも「ひとつひとつ修正しながら、基本的なことを繰り返しやってきた」と聞いています。それがス
トライドが伸びたことや、重心の位置が後方に変わったことなどに繋がっているのでしょう。
でも、
ケイティブレイブが目指す先はまだまだ先にあるようです。房野助手は
JBCクラシックを勝ったとき、喜びつつも「まだ通過点です」と言っていました。
福永騎手が自分からドバイ遠征をオーナーや調教師に提案をしています。この先のドバイ遠征を実現、成功させるためにも、中央GIである
チャンピオンズCは大事な
ステップとなりそうです。
充実一途、とは今の
ケイティブレイブのためにある言葉だな、と思えるほど、
ケイティブレイブの状態はいいように見えます。希望どおりの5枠8番枠が当たり、運も味方しています。
「結果を出したいですね」と杉山師。淡々としながらもかなり勝利を意識しており、ここも"通過点"になるのかな、と感じられました。
(取材・文:花岡貴子)