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【チャンピオンズC 勝負の分かれ目】「ダートのアーモンドアイ」が初めての先行策で圧勝。「形」のない、この馬だけの強さを発揮

  • 2018年12月02日(日) 18時45分
 ミルコ・デムーロが騎乗する1番人気のルヴァンスレーヴは、内の2番枠からポンと速いスタートを切った。

「ちょっと入れ込んでいたけど、いつもどおり。前はスタートがよくなかったけど、だんだんよくなっている」

 デムーロはそう振り返り、つづけた。

「出して行かなくても、いいところを取ることができた。ずっと馬なりでした」

 スッと2、3番手の内につけ、1コーナーへと入って行った。

 過去8戦でこうして先行したことはなかったが、萩原清調教師が「まだ競馬の形が定まっていない」と話していたように、「形」を持たずに結果を出しつづけているところが、この馬ならではの強さでもある。

 紅一点のアンジュデジールが単独でハナを切り、向正面へ。

 ルヴァンスレーヴアンジュデジールから2、3馬身離れた2番手の内を、引っ張り切れないほどの手応えで進んでいる。

 その外にヒラボクラターシュインカンテーションという8枠の2頭がいて、さらに2馬身後ろにアメリカのパヴェルと、ジョアン・モレイラのサンライズソアがつづく。

 1000メートル通過は1分01秒9。馬群が縦長になっているわりには、さほど速くはない。

 アンジュデジールが先頭のまま直線へ。

 ルヴァンスレーヴはその直後にいる。

 ラスト200メートル地点の手前で、デムーロはルヴァンスレーヴアンジュデジールの真後ろから外に持ち出し、ゴーサインの右ステッキを入れた。

 そこからは独壇場だった。

 ルヴァンスレーヴは見る見る後続を突き放し、2馬身半差でフィニッシュ。勝ちタイムの1分50秒1はレースレコードタイ。速いタイムへの対応力を心配する声もあったが、あっさり吹き飛ばした。

「素晴らしい馬です。クリストフ(・ルメール騎手)が『ダートのアーモンドアイだ』と言っていましたが、本当ですね」

 デムーロの言葉どおり、直線での抜け出し方まで、ジャパンカップを勝ったときのアーモンドアイに似ていた。

 2着は8番人気のウェスタールンド。離れた最後方にいながら、4コーナーでワープするように内を回った藤岡佑介の好騎乗だった。

 これがルヴァンスレーヴにとって、JRA・GI初制覇であったが、交流GIを含めるとGI4勝目、今年だけで3勝目だ。JRA賞最優秀ダートホースは当確だろうが、最優秀3歳牡馬の座もグッとたぐり寄せたのではないか。

 来年のドバイワールドカップ、米国ブリーダーズカップへと、夢はひろがる。

(文:島田明宏)

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