6月の
宝塚記念(芝2200m)への遠征では環境の変化に対応できず、28キロという大幅な馬体減での出走となったにも関わらず、直線で怒涛の追い込みを見せ、勝ち馬
ミッキーロケットにクビ差まで肉薄する2着に入ったワーザーが地元の代表格と目されていたのだが、レース当該週になって故障を発症して回避。そうでなくても「手薄」と見られていた
香港カップの地元勢がさらに弱体化し、香港の競馬ファンはため息をついている。
勝つときと負けるときのパフォーマンスに、天地ほどの開きがあるのが
タイムワープ(セン5)だ。昨年のこのレースの勝ち馬だが、シーズン後半の大一番であるGIクイーンエリザベス2世C(芝2000m)では最下位の8着に敗退。
今季も相変わらずの競馬を見せており、前々走のGIIIササレディースパース(芝1800m)では131
ポンド(約59.4キロ)のトップハンデをものともせずに快勝したと思ったら、前走のGIIジョッキークラブC(芝2000m)では最下位の9着に敗れている。今日、
タイムワープは果たしてどちらの顔を見せてくれるのだろうか。
香港カップ出走馬をレイティング順に並べると、
タイムワープと横並びで首位に立つのが、120を保持する
サングレーザー(牡4)だ。3F=33秒4という最速の上がりを繰り出した
天皇賞(秋)のパフォーマンスを再現できれば、優勝争いに加わる1頭だろう。
昨年の
秋華賞を含めて重賞4勝の実績を誇る
ディアドラ(牝4)は今春、ドバイに遠征し、GI
ドバイターフ(芝1800m)で3着に好走した。アウェイでの強さをここでも発揮し、自慢の末脚を炸裂させることができれば、大勢逆転の可能性も秘めた馬と見る。
これまで4度参戦しているシャティンの国際GIで、3度にわたって入着しているのが
ステファノス(牡7)だ。ここがラストランといわれているが、第2の故郷とも言える香港で有終の美を飾ってほしいものである。
(文=合田直弘)