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【有馬記念】売上875億円がギネス記録に サクラローレルが制した平成8年/平成有馬記念列伝(1996年)

  • 2018年12月19日(水) 17時51分
 この年の注目は、何と言ってもサクラローレル天皇賞・春ナリタブライアンをねじ伏せると、秋緒戦のオールカマーも快勝。天皇賞・秋は3着に敗れていたが、騎乗した横山典弘が「最高に下手に乗った」と認めるほどスムーズさを欠いたもので、この馬が現役最強であることは疑いようがなかった。

 2番人気は前年の覇者であり、天皇賞・秋サクラローレルに先着していたマヤノトップガン、3番人気に上がり馬マーベスサンデーが続く。

 サクラローレルが注目を集めたのは、単に強いという理由からだけではなかった。翌年2月に勇退を迎える境勝太郎調教師の管理馬であったのだ。強気なコメントで「境ラッパ」と親しまれた伯楽の悲願が、有馬記念のタイトルだった。

 ヒシアマゾンの出遅れで場内がどよめく中、ハナを切ったのはカネツクロスマヤノトップガンが2番手を追走し、ファビラスラフインマーベラスサンデーと有力馬たちが好位を占める。

 天皇賞・春では後方からの競馬で直線も包まれてしまったサクラローレルだが、このレースは6番手を追走。3〜4コーナーで外に出すと早めに追い上げを開始する。マヤノトップガンマーベラスサンデーサクラローレルが並ぶ形で4コーナーを回り、上位人気3頭による名勝負の予感に沸く場内。しかし、マヤノトップガンがいち早く脱落し、2頭の一騎打ちになると、外サクラローレルマーベラスサンデーをねじ伏せてゴールに飛び込んだ。まさに正攻法。まさに横綱相撲。

 レース後の勝利ジョッキーインタビュー、「強い勝ち方が出来ましたね」の問いに「そうですね。強い馬ですから」と答えた横山典弘。その表情は、引退する師への餞となる勝利でサクラローレルの強さを証明した充実感に満ちていた。

 この有馬記念の売上875億104万2400円は、1レースの売り上げ最高記録としてギネスブックにも掲載されている。まさに空前の競馬ブームが、ひとつのピークに達した瞬間でもあった。

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