出走馬全てが重賞ウイナー、しかも9頭がG1ホースという豪華メンバーが顔を揃えたが、注目は何といっても
オルフェーヴルと
ブエナビスタの初対決。
ファン投票1位は
ブエナビスタ。この年は不完全燃焼の競馬が続いていたが、それも前走の
ジャパンカップ快勝で払拭。この
有馬記念が引退レースとなる。
その
ブエナビスタを抑えて1番人気に支持されたのが史上7頭目の三冠馬
オルフェーヴル。破天荒なレースぶりで、既にその人気は不動のものとなっていた。能力は疑いようがなく、不安は中山コースだけ、といったところか。
離れた3番人気に、
天皇賞・秋を1:56.1というレコードで制した
トーセンジョーダン。
レースはじわっと
アーネストリーがハナに立つと、13秒台、14秒台が並ぶ超スローペースを作り出す。それでも
オルフェーヴルは後方からの競馬を選択。一方の
ブエナビスタは内の3番手をやや掛かり気味に追走し、
トーセンジョーダンは向正面で4番手に押し上げる。
3コーナー過ぎから
オルフェーヴルが外を通って進出を開始すると、4コーナーでは先頭集団へ。直線では内を捌いた
エイシンフラッシュが抜け出しをはかるところを、ねじ伏せるようにして
オルフェーヴルが差し切った。
外から伸びた
トゥザグローリーが2年連続となる3着。
ブエナビスタは直線で狭いところに入ったにしても、いつもの伸びが全く見られず7着に沈んだ。
中山コース、初の古馬対決、そして不利な流れも何のその。上がり3ハロン33秒3で突き抜けてみせた
オルフェーヴル。鞍上の池添も「強いとしか言いようがない」と最大限の賛辞で愛馬の走りを讃えた。