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【平成有馬列伝】06年ディープインパクト 平成最強馬、花道を飾る飛翔

デイリースポーツ
  • 2018年12月22日(土) 06時00分
 最後も飛んだ-。平成時代の有馬記念名勝負を振り返る「平成有馬列伝」。クリスマス・イブに行われた平成18(2006)年の有馬記念ディープインパクトが有終Vで花道を飾った。

  ◇  ◇

 後方のポジションはすっかり定番。末脚を信頼する主戦が淡々とラップを刻む。3コーナーからが真骨頂だ。一気のギアチェンジでスパートすると、ファンの熱い視線が主役を追う。438キロの小さな体。一瞬の接地で、芝から四肢が全て離れる。滞空時間の長い独特の走りで、前を一気にのみ込むと、並ぶ間もなく抜け出した。上がり3Fは圧巻の33秒8。異次元の脚だ。

 「驚いた。ものすごく強かった。こんな感覚を味わったことがない」。デビューから全14戦。その背に乗り続け、パートナーを熟知する武豊でさえも、舌を巻くほどの衝撃だった。

 1年越しのリベンジでもあった。史上2頭目となる無敗の三冠達成。ただ、3歳で挑戦した有馬記念(05年)は、小回りを味方にした、ハーツクライの絶妙な立ち回りに屈して2着と苦杯をなめた。過去の歴史でも、数々の名馬が思わぬ形で敗戦を喫した、紛れのある中山2500メートル。それでも、2年続けて負けるわけにはいかなかった。単勝支持率70・1%は有馬記念史上、57年ハクチカラ(76・1%)に次ぐ2位。史上最強の“小柄な怪物”は、その思いに応えた。

 今は、惜しまれながら去ったディープの血を継ぐ多くの産駒たちが、ターフを沸かす。あの日から12年-。武豊は振り返る。

 「負けられない。負けてはいけないレースだった。自信がそこまであると緊張もしなかった。最後だと思って味わって乗ったよ」

 背中と躍動感。そして、見える景色を存分に楽しんだ余裕のフィナーレだった。

提供:デイリースポーツ

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