27日、大井競馬第12R後に、2016年のNAR
グランプリ年度代表馬・
ソルテの引退式が行われた。
ソルテは真赤な馬着に身を包んで馬場に入場。興奮気味なのか、何度も後肢を蹴り上げる。
ソルテのオーナーは、
JRAでも“ネコ”の冠名で知られる(株)
フロンティア・キリーの桐谷茂氏で、今年11月に急逝されたばかり。引退式はその遺影を手にしたご家族が参列。さらに、
寺田新太郎調教師、
吉原寛人騎手が賞典台に並んだ。
競馬場からの記念品と感謝状を受け取った後、関係者からの挨拶。最初に、亡きオーナーに代わってオーナー夫人から挨拶。続いて寺田調教師。短い中にも、調教師人生で最高の管理馬への想いが溢れていた。さらに吉原騎手は、亡きオーナーへの想いに泣きじゃくりながら、思い出を言葉にしていく。言葉に詰まると、ファンから“頑張れ”の声。“子供たちと新しい夢を見たい”と語り、最後は笑顔も見られた。
挨拶のあと、
ソルテを囲んでの記念撮影。吉原騎手は、自身の服色とオーナーの服色を用意しており、後半はオーナーの服色で撮影に応じた。
最後はウイナーズサークルに集まったファンに向けて、馬と騎手の撮影の時間が設けられた。寒風の中、競馬場に残って集まったファンにとっても、心温まる引退式となった。
【オーナーの(株)
フロンティア・キリー代表様】
「本日は、
ソルテ号の引退式を開催して頂きありがとうございました。無事に引退式を迎えることが出来て、亡きオーナーも喜んでいることと思います。今度は、
ソルテの子供たちの活躍を楽しみにして下さい。遅くまでありがとうございました」
【
寺田新太郎調教師】
「寒い中どうもありがとうございます。馬に関わって43年、一番最高の馬に巡り会えて最高でした。ありがとうございます。今日、このような引退式を行って頂いた主催者の皆様、ありがとうございます」
【
吉原寛人騎手】
「(泣きじゃくりながら)今日、オーナーと一緒にこの日を迎えることが出来ればよかったんですけど…。
ソルテ号の引退式を迎えることが出来て、嬉しく思います。オーナーは、
ソルテが勝つたびに、“吉原君、良くやってくれた。ありがとう”と、温かいねぎらいの言葉を掛けて下さり、美味しいステーキを食べに行こうと招待して頂いて、いつもとても美味しくて、沢山のいい思い出を頂きました。
ソルテと一緒に夢を見れたことが一生の宝物です。
今日は、こんなに沢山の皆さんに寒い中来て頂いて、ありがとうございました。
ソルテの子供たちがデビューして、またその子たちと新しい夢が見れたら嬉しいです。応援よろしくお願いします」
(取材:高橋正和、編集:netkeiba)