「
ホープフルS・G1」(28日、中山)
モノが違った。1番人気の
サートゥルナーリアが好位から抜け出し、デビューから土つかずの3連勝でタイトルを射止めた。
ロードカナロア産駒は今年のG1・6勝目。史上3例目となるきょうだい3頭によるG1制覇を成し遂げた超良血馬は、意気揚々と春の大舞台へ向かう。2着に2番人気の
アドマイヤジャスタ、3着には3番人気
ニシノデイジーが入った。
“怪物”の前評判にたがわぬ強さを見せつけた。直線で抜け出すと、あとは流すだけ。今年最後の大舞台は、良血
サートゥルナーリアが完勝で締めくくった。「サイコーです!今年一番強い2歳に乗っていました」。師走のG1・3勝目を決めたM・デムーロは最上の賛辞で相棒をたたえた。
絶好のスタートから道中は手綱を押さえて2番手を確保。「この馬は何でもできる」と意のままに折り合いをつけて4角をクリア。直線で一瞬前が壁になるシーンはあったものの、馬群をこじ開けてからは本気で追うこともなかった。さっそうとゴールを駆け抜け、「スペースはなかったけど、馬が狭いところに行ってくれた。楽勝だったね」と涼しい顔だ。
日米
オークス馬
シーザリオの子として、
エピファネイア、
リオンディーズに続く3頭目のG1勝ち馬となった。吉岡助手は「触った感じは
エピファネイアにそっくり。でも、この馬は
ロードカナロア産駒らしくコントロールできるのが長所」と話す。「今回は一番きつい競馬になったが、狭いところを出てくるあたりが底力。現時点で弱点はありません」と胸を張った。同助手は来月から技術調教師になるため、今回のレースを最後に担当を離れることになる。「最高の形でバトンをつなげます」と笑顔で締めくくった。
年明けには、もともと在籍していた角居厩舎に戻る見込み。今後は
トライアルを挟んでクラシックの王道路線を歩む。
朝日杯FSを制した
アドマイヤマーズもお手馬に抱える鞍上は「(2頭が)かぶらなかったら来年も楽しみ(笑)」とおどけて見せた。世代の主役を担うニューヒーロー。その明るい未来は、既に約束されていると言っても過言ではない。
提供:デイリースポーツ