第158回
天皇賞・秋で1番人気に推されたのは、
安田記念以来の実戦となる
スワーヴリチャード。差の無い2番人気は、前年のダービー馬
レイデオロ。春は一息の成績に終わったが、前走の
オールカマーで復活の勝利を飾っていた。この2頭の一騎打ちムードで、離れた3番人気に一昨年のダービー馬
マカヒキ。
ダンビュライトが放馬・競走除外となり、どよめきに包まれる東京競馬場。
スタート直後、1番人気の
スワーヴリチャードが
マカヒキに寄られる形になって、再度、どよめきが起こる。
ハナを奪った
キセキの1000m通過は59秒4。好時計連発の馬場コンディションを思えばゆったりとしたペースでレースを引っ張る。
アルアインが2番手を追走し、
レイデオロは縦長になった馬群の6番手という絶好のポジションをキープ。
スワーヴリチャードは後方3番手から。
キセキは6ハロン目から11秒台を並べる持続力勝負に持ち込み、直線に入ると
アルアイン以下を振り切りリードは2馬身ほど。そこに外から
レイデオロが襲いかかり、ゴール前できっちり捉え切った。外から伸びた
サングレーザーがハナ差
キセキを交わして2着に上がる。
スワーヴリチャードは直線でも反応なく10着に敗れた。勝ち時計は1.56.8(良)。
鞍上のルメールは3週連続のGI勝利。そして、管理する
藤沢和雄調教師は実に6度目となる天皇賞制覇。
1週前には追い切りを中止するアク
シデントがあったものの、ルメールが「コンディションは完璧。パワーアップしていた」と振り返るほどの仕上げ。名門厩舎の底力を見せつけるレースとなった。