年末年始のトレセンだが、2018年は12月29日が全休日となり、12月31日の月曜日まで調教というスケジュール。1月1日の火曜日が全休となり、2019年は1月2日の水曜日から調教開始となっている。
9日間で2回の全休日を挟むということで、各厩舎によって調整方法が異なっている。特に1月5日のレースに関しては、最終追い切りをどのタイミングで行うかが難しいところ。12月28日の開催で大幅の馬体重増が目立ったように、本格的な寒さがやってきて、馬体重の維持が難しい季節でもある。馬体重は調教内容と照らし合わせた上での判断が必要だろう。
【坂路/4F51.9秒】
1月2日。全休日ということで追い切り頭数は少なかったが、一番時計は
マリエラ(栗東・
鮫島一歩厩舎)の4F51.2秒。この時計は速くないが、これは馬場の影響というよりも全休明けというスケジュール的なものが影響していると考えた方がよい。
3日。来週以降のレースを予定している馬の追い切りが集中した。一番時計は48.4秒の
ブリッジオーヴァー(栗東・
安田翔伍厩舎)。
グレーターロンドンの半妹という良血で、スピード能力に関しては折り紙つきの血統。これくらい動いて不思議ないが、それにしても速い時計が出ている。
全体的に走りやすい馬場だったと解釈したいところだが、4F51秒台はさほど多くない。追い切った時間帯と馬のキャラクターによって、出る時計に差があるという印象を受けた。それを思えば、閉場10分前の踏み荒らされた時間帯に「えげつない」動きを見せたのが
アンヴァル(栗東・
藤岡健一厩舎)。
モズダディーと
トラピッチェが前に先行していて、それを後ろから追いかけていく形。併せ馬ではなかったが、前半から後半に入るカーブのあたりで
アクセルを踏んで、前を抜かしていく。前との差は1秒以上あったが、ぐんぐんとスピードに乗っていき、大きな差をつけて先着している。
時計は4F52.2〜3F38.3〜2F24.7〜1F12.2秒。時間帯を考えると、破格といってよい数字。この脚力は間違いなくGIで通用するものであり、次走予定の
淀短距離S(1月14日・京都芝1200m)できっちり結果を出し、春の大舞台へ駒を進めてほしいところ。
12月25日の馬場差は「±0.0秒」。馬場状態としては当時とほぼ変わりない。よって今週も『±0.0秒』の馬場差を記録している。
【CW/5F66.0秒】
1月2日。全休明けだが、水曜日ということで右回りでの追い切り。頭数は多くなかったが、時計は出ている印象を受けた。
3日。坂路同様、追い切り頭数はかなり多く、朝一番から時間が経過するごとに馬場状態が悪くなっている印象を受けた。
日経新春杯(1月13日・京都芝2400m)を予定している
アフリカンゴールドは単走。1周半での追い切りだったが、6Fから時計になるように、向正面からピッチを上げての走り。その分なのか、最後の直線に向いてからの唸りがひと息で、最後も少し頭が高い印象を受けた。
時計は6F83.4〜5F67.4〜4F52.5〜3F38.3〜1F12.2秒。馬場の悪い時間帯での追い切りということもあったが、この馬に関しては、追い切りをスタートするまでの助走距離がある方がよい気がする。その分、追い切り区間では動けなかっただけで、ゴールを過ぎてからの動きは上々。レースでも急かされるようなことがあると力を出し切れない可能性はあるが、この距離なら問題ないだろう。
12月25日の馬場差は「-0.2秒」。今週は非常に難しい馬場状態だが、基本的には時計が出にくい馬場だったと思ってよい。よって、今週の馬場差は『±0.0秒』で2日、3日とも記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週は芝馬場での追い切りが少数。馬場状態としてはごく標準だったので、馬場差としては2日、3日とも『±0.0秒』で記録している。
ポリトラック馬場での追い切り頭数はかなり少なかった。馬場状態は変わらず。今週の馬場差も『±0.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・文:井内利彰)