少しでも隙を見せようものなら、外国人騎手に乗り替わりとなる時代。それで結果が出てしまうのだから仕方がないとも言えるが、騎乗依頼する調教師の中には逡巡の末に、やむなく決断する人間もいる。
アフリカンゴールドの過去8戦中6戦に騎乗し、ここまでの全3勝を稼いできた主戦の松若は、GII
日経新春杯(13日=京都芝外2400メートル)で短期免許で来日中のミナリクへ乗り替わり。これはオーナーサイドからの強い要望だった。
当初、西園調教師は準オープン馬の格上挑戦でハンデが軽くなることに加え、「うるさい馬なので、よく分かっている騎手のほうがいい」と松若の続投を推したそうなのだが…。「ミナリクは52キロまで騎乗できる」とプッシュされ、最終的に了承したのだという。
「スミヨンなんか“55キロまでなら、なんとか乗れる”って感じで鞍も薄っぺらかったのにね。“52キロまで乗れる”と言われたら、さすがにこっちも断りにくいよな」(西園調教師)
もちろん、松若自身も前走の
菊花賞12着惨敗で隙を見せてしまったのは確かだ。
「ちょっと乗り損ねてしまったよね。手応えは良かったのに、超スローの展開で大事に構えて、道中はずっと5頭分くらい外を回ってしまったから…。200メートルぐらいは余分に走ってしまったんじゃないかな」
基本的に短期免許で来日する外国人騎手は体格上、軽い斤量の馬には乗れないのが唯一? の弱点でもあったりしたのだが、52キロまで騎乗できるミナリクがここでひと仕事してしまうようだと…。ますます外国人騎手の活躍の場が広がることになるのかもしれない。
まあ、それはそれとして。これまで
アフリカンゴールドと同じ“境遇”で当レースに出走した馬のハンデがほとんど52〜53キロだったことから、今回もハンデはそれぐらいと読んでいたトレーナーは「距離が長いほど、より軽い斤量が有利になる。2400メートルでは過去に強烈な勝ち方を見せているし、この中間もバリバリ調教をこなしているからね。今年はこの馬が大きな仕事をしてくれると思うよ」と、2019年の
アフリカンゴールドのスタートに大きな期待を寄せている。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
東京スポーツ