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東海S(20日=中京ダ1800メートル)にエントリーしている
インティを、管理する野中調教師は「ある意味、奇跡の馬」と評する。
母の
キティは繁殖牝馬となってからの子出しが悪く、種付けをしても、なかなか子供が生まれない状況が続いている。そんな中で、無事に生まれ、競走馬として育った
インティがダートで怒とうの5連勝を決め、今や「超新星」として注目されているのだから、確かにその走りは奇跡と言えるのかもしれない。
「この馬自身も体質がすごく弱かった。まだまだ走りも不器用だしね。前走(
観月橋S1着)なんか、コーナーで逆手前に替えていたし、以前、中京で勝った時(500万下)は、ずっと左手前のままで走り切ってしまった」(野中調教師)
なんでも左手前が好きな馬で、トモも左側のほうがより盛り上がっているのだとか。当然ながら、直線を右手前で走るのが理想とされる、左回り中京の
東海Sは、この馬にとって大きな壁となる。だからだろう。圧巻の連勝劇とは裏腹に、トレーナーのトーンはやけに控えめだ。
「ダートのトップクラスは層が厚いからね。例えば
オメガパフュームみたいに上手にレースができる馬は、そういう壁も乗り越えやすいんだろうけど、この馬は左回りでちゃんと走れるかという課題も抱えながらの初重賞。そんなに楽ではないと思う」
この中間はフラットワークから右手前をうまく使えるように工夫しながら調整を行っているし、「左右の
バランスもだいぶ良くなってきた」というが、果たして壁にぶち当たるのか、難なくクリアしてしまうのか。
いずれにしても、北海道浦河で生まれた
ケイムホーム産駒の新星という身近に感じる?キャラクター。応援したくなる馬ではある。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
東京スポーツ