今週の栗東はこの時季らしい寒さ。23日の調教開始前の気温は-1℃。今年に入って一番といってもよい冷え込みだったが、体感的には翌24日の方が寒く思えた。気温は2℃だったが、風が強く、時間帯によっては小雪がちらつく場面もあった。
全国的に雨が降らないことがニュースにもなっているが、トレセンにおいてはそれが馬場悪化を防いでいる。
【坂路/4F51.9秒】
1月23日。一番時計は50.3秒が2頭いて、
プレシャスルージュ(栗東・
高柳大輔厩舎)と
ライトオブピース(栗東・
佐々木晶三厩舎)。この2頭を含めて、4F50秒台が7頭もいた時点で走りやすい馬場だったと判断すべきだろう。
時計が出る馬場だったとはいえ、2F目から12.9秒のラップを踏んで、その後も12.0秒、12.1秒とまとめたのが
ドラグーンシチー(栗東・
北出成人厩舎)。500万下を勝ち上がれない状態ではあるが、それは旋回癖が影響してのもの。能力自体は楽にオープンで通用するスピードを持っているだけに、ひとつきっかけを掴めばといったところだろう。
1月24日。時計が出やすい状態は前日と変わりなし。一番時計は50.3秒の
ノボバカラ(栗東・
森秀行厩舎)だった。
先週の馬場差は「-0.5秒」。先週に引き続いて、走りやすい馬場という認識で間違いないだろう。よって今週も23日、24日とも先週と同じ『-0.5秒』の馬場差を記録している。
【CW/5F66.0秒】
1月23日。同じウッドチップ馬場でも坂路に比べると少しだけ重たい印象。どの馬も速い時計を出すという状態ではないので、比較的基準時計に近い状態という感じを受ける。ウッドチップが砕けて、少し深い状態になっているのかも知れない。
そんな中、3歳新馬ながら素晴らしい動きを見せたのが、
ディープインパクト産駒の
シーリアスラブ(栗東・
音無秀孝厩舎)。3頭併せを最後方から追いかける形だったが、道中は終始余裕のある走り。最後の直線は最内だったとはいえ、外2頭とは全く違う手応えでいつでも抜け出せそうな感じ。最後まで馬なりだったが、6F81.6秒と速い時計にも楽々と対応するのだから、相当な能力を感じる。
1月24日。馬場状態としては前日と変わりない。しかし、朝一番から素晴らしい動きを見せてくれたのが、
東京新聞杯(2月3日・東京芝1600m)の出走を予定している
ジャンダルム(栗東・
池江泰寿厩舎)。
クラージュゲリエとの併せ馬だったが、3馬身ほど追いかけての内容。6Fから5F標識のラップは遅かったが、3コーナー手前から速くなって、2頭がともにスピードに乗った形で最後の直線へ向いてくる。前も止まっているわけではないのだが、それを一瞬で交わす
ジャンダルム。東京マイルは
富士S7着以来だが、当時よりも動ける状態に仕上がっている印象を受ける。
先週の馬場差は「-0.5秒」。基準時計よりも走りやすい状態だったが、そこからは馬場の傷みもあって時計を要している印象を受ける。とはいえ、基準時計よりは遅い馬場というわけでもないので、今週の馬場差は『±0.0秒』で23日、24日とも記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週も芝馬場での追い切りが23日、24日とも少数ながら行われている。馬場状態としてはごく標準だったので、馬場差としては両日とも『±0.0秒』で記録している。
ポリトラック馬場での追い切り頭数は先週とほぼ同じ。馬場状態に関しては、先週までと変わらず柔らかさがあり、適度な時計が出る状態。今週の馬場差も『+0.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・文:井内利彰)