ナインテイルズは8歳にして初の重賞制覇のチャンスを目の前にしています。
淀短距離Sは少し余裕のある馬体ながらもしっかり差し切りました。このところの成績の安定ぶりには中村均師も目を細めます。
「いちどゲートが開く直前に前扉に顔をぶつけてしまったことがあります。それで一瞬、馬体がゲート後方に下がったのですが、半馬身程度だけの遅れでレースを進めたんです。それまでは前々でレースをすることが多かったのですが、このときに偶然ながらも控えることになったんですがこの内容が良かったんです。それ以降、控える競馬をするようになりましたが、最近ではそれが安定してきましたね」
馬の体調ですが、今週の追い切りの直後、騎乗していた助手さんは中村師に「絶好調です」と言ってあがってきました。
「はい、絶好調ですね。いい状態で臨めます」
中村均師は来月で定年により引退、厩舎は解散となります。
「わたしの管理馬は長谷川(浩大技術調教師)が後継者指名というかたちで皆、引き継いでくれます。でも、その前に最後にひと花咲かせたいですね」
(取材・文:花岡貴子)