オールブラッシュは扱いの難しいことで知られる
ウォーエンブレムの産駒です。
オールブラッシュもその例に漏れず、決して扱いやすいほうではないでしょう。それでも、担当の野田助手は
オールブラッシュを怒ったことはないといいます。
「怒ったから相手がいうことをきいてくれるわけではないですから。馬の生活のリズムを大切にしてあげたり、気にくわないことも無理にさせず納得させたり、調教時間を調整して冷静でいられる環境をつくってあげるなどして理解し合えるように努めています」
野田助手は冷静に
オールブラッシュを扱っていて、まさに理解者、と感じました。常に緊張感はあるけれども、すごくいい距離感。戦場でのナイスコンビという印象です。
昨年11月の
浦和記念(GII)では田辺騎手が6番手から早めに先頭に立つ競馬をみせてくれました。この勝利は、2017年の
川崎記念(交流GI)以来の約1年10か月ぶりですね。
この勝ち方に管理する村山師は「
コパノリッキーを思い出した」と話していました。
「ちょっと早めに仕掛けて突き放すという点が,仕掛けるタイミングに通じるところがありましたね。田辺騎手は昨年の
かしわ記念(GI)もこの馬で2着にきていますし、上手に乗ってくれています」
その2017年の
川崎記念は
ルメール騎手騎乗で逃げ切っての勝利でしたね。2019年はどんな競馬をみせてくれるのか、とても楽しみです。
(取材・文:花岡貴子)