次週の
京都記念で2019年を始動する予定だった
ミッキーロケットの電撃引退は衝撃的だった。今思えば、24日の公式発表の2日前、和田が追い日でもないのに、わざわざ音無キュウ舎を訪れたのは、自身久々になるGIタイトル(昨年の
宝塚記念)をプレゼントしてくれた“相棒”に対する、最後のねぎらいと別れのあいさつのためだったのだろう。
ミッキーロケット&和田のコンビといえば、今週の
東京新聞杯に出走する
インディチャンプ絡みのこんな話がある。
インディチャンプが500万下に出走する際の最終追い切りで、併せ馬の相手になったのが
ミッキーロケット。そこで
インディチャンプが馬なりで楽々と先着したため、
ミッキーロケット騎乗の和田は驚嘆の声を上げたそうだ。
「“何? その馬”って、本当に驚いてた。そりゃそうだろうな。まだデビューしたばかりの馬が、重賞を勝っている古馬に楽に先着してしまったんだから。“どこに使うの? 俺に乗せてほしいわ”とも言っていたよ」とは
インディチャンプを担当する内徳キュウ務員だ。
新馬戦を勝ち上がって間もなかった当時、追い切りで併走馬に乗った和田を魅了した馬は今現在、タッグを組んでいる福永を魅了し続けている。
「昨年(福永)ユーイチが初めて乗った時(1000万下・
小豆島特別2着)、上がってきて“この馬、走るわ。ずっと乗り続けたい”って。それだけ手応えを感じたんだろうな」(内徳キュウ務員)
当然ながら、福永は
東京新聞杯にも騎乗する。この中間は2週前追い切りで予想以上に時計が出てしまう誤算(坂路4ハロン50.7秒)があったが、1週前追い切りに福永自ら騎乗して絶妙なタイム(同52.8秒)を刻み、軌道修正に成功する
アシストを決めている。
「まだトモがパンとしていないから、その分、良くなる余地も残している」(内徳キュウ務員)という
インディチャンプ。
ミッキーロケットなき音無キュウ舎を引っ張る新たな看板馬として、マイルGI戦線に名乗りを上げてほしいものだ。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
東京スポーツ