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SNSで話題の“水色兄さん”「違った方向からでも競馬に興味を持っていただければ」

デイリースポーツ
  • 2019年02月05日(火) 11時00分
 突然ですが“水色兄さん”を知っていますか?私はつい最近までその存在を知りませんでした。しかも、その人物と私は古くからの付き合い。聞けば、世に出てから既に4、5年も経つというから、もう驚くばかりだ。

 ある日、仕事でたまたまネットを見ていると、まるでアイドルのように崇められている水色兄さんなる人物を発見。何やら、彼がひとたびパドックに登場すれば「水色兄さん、来たー!」というツイートが続出するそうだ。思わずツッコんだ。

 「これって、“はしもっちゃん”やん!」

 そう。彼の名は橋本宏和。栗東・本田優厩舎の持ち乗り助手だ。速攻でメールを送る。「ちょっと何なん?水色兄さんって。隠し事はなしやで〜」。すると、すぐに返信が。「えっ?今頃気づいたんですか(笑)。別に隠しているつもりはなかったんですけど。今ではすっかり有名人になってしまいました」。まるで名奉行に桜吹雪を見せられた心境だ。

 後日、本田厩舎へ出向き事情聴取。なぜ、こんなことになっているのか?聞けば、どうやらイラストレーター・おがわじゅりさんの影響だという。「14年でしたね。仕事仲間がじゅりさんと知り合いだと聞いて。ちょうどトレセン見学に来られるというので“ぜひ、お会いしたい”と僕から頼んだんです。その時に初めてお会いして。のちにその様子をじゅりさんがイラストに書かれたのですが、それに登場した僕が…顔というか、全身“水色”で(笑)。そこから、じゅりさんに馬のことを教えるたびに、どこかでネタとして書かれるようになったんです。例えば、担当しているスピリッツミノルなんかも、イラストで“この馬はこんな感じやで〜”って教えているんですよ。水色のヤツが(笑)」。

 なるほど。では、なぜ彼が全身“水色”にされてしまったのか?生みの親?らしい、おがわじゅりさんに直接聞いてみた。「初めてお目にかかった日に、トレセンからの帰り道が分からなくなって。すると、水色兄さんが出口まで案内して下さって、そのついでに本田厩舎も見学させてくれたんです。それがうれしくてブログに書きました。で、どうやって彼を書こうかと思ったときに、本田厩舎(のカラー)が水色で、彼が乗っていた自転車も水色。じゃあ、もう、彼、水色にしちゃおうと思って、ああいう感じになりました。彼、似顔絵にするには特徴があんまりなくて、それで水色にしたのだと思います。物静かな穏やかな人で、受け身な感じがしたので“この人ならいじっても怒られない!”って思いました(笑)」。さすが人気イラストレーターである。まるで水のように、何にでもなじむ彼の特徴をよくとらえている。この出会いは必然?だったのかも知れない。

 コアなファンのために、パーソナルな情報を。水色兄さんこと橋本宏和助手は82年5月21日生まれ。トレセンでは珍しい、徳島県の出身だ。「ダビスタがきっかけで、将来は競馬の仕事に携わろうと考えました。学生時代は、部活代わりに徳島乗馬倶楽部に通う日々。卒業後に北海道浦河のビクトリーホースランチに3年半務めました。その後、JRA競馬学校を経て、栗東の安藤正敏厩舎へ。ただ1年半ほどで厩舎が解散してしまって。そのタイミングで、新規開業した本田優厩舎へ移籍しました」。

 学生時代、もっとも熱くなった馬はミホノブルボンだという。「当時は逃げか、追い込みか、みたいな極端な馬が好きだったんですよ。ブルボンはタイムリーでは見ていませんが、振り返りものの競馬番組で初めて目にして。あの付け入る隙のない“逃げ”のスタイルがすごく格好良かったですね」。

 さて実際、本人はこの過熱ぶりをどう思っているのか?聞くと「今ではもう面白がってますよ(笑)。じゅりさんからは“嫌だったら言って下さい”と言われてますけど、僕自身、今ではシャツからネクタイから、全てにおいて水色のものに目がいく状態で。私生活でも水色から逃れられなくなっていますからね(笑)。まあ、どういう形であれ、競馬を取り上げていただけるのはありがたいじゃないですか。僕自身、あまり競馬が身近にはなかった徳島の出身ですしね。そりゃ大きなレースを勝って、マスコミの方々に大きく取り上げてもらうのが一番いいのでしょうけど、こういう違った方向からでも競馬に興味を持っていただければ。みんなで楽しんでいただければいいと思っています」。

 競馬場での面白いエピソードを聞いた。「一度だけ、東京競馬場のパドックを周回しているときに、男性の野太い声で“水色兄さん!”って声をかけられたことがあります。あまりにも突然過ぎて、反応できませんでしたが。まあ、仮に反応できたとしても、手を振るわけにもいきませんけどね(笑)」。

 現在はスピリッツミノルムーンクレストオーパキャマラードらを担当。バラエティーに富んだ面々で、まずは重賞初制覇を目指している。おがわじゅりさんは「今後もどんどこ活躍していただきたいですし、ずっと水色でいていただきたい(笑)。個人的な期待ですが、水色兄さんの担当馬が勝つところにまだ立ち会ったことがないので、競馬場で“水色ー!”と叫びたいですね」とエールを送る。

 ファンはもちろん、興味を持たれた方は、彼らが出走する際、ぜひ競馬場へ足を運び、生の水色兄さんを応援してもらいたい。その際、パドックではマナーを守ってお静かに。そして、SNSでは大いに盛り上がり、ウイナーズサークルに登場したときには「水色ー!」と叫んでください。(デイリースポーツ・松浦孝司)

提供:デイリースポーツ

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