今週のトレセンは6日の午前中に雨が降っていたが、調教にはさほど影響はなかった。先週から少し雨が降って、よく晴れるという日が続いている影響なのか、ウッドチップ馬場は下層に水分が含まれて引き締まり、表面は乾燥して脚抜きがいい、そんな状態なのではないだろうか。
【坂路/4F51.9秒】
2月6日。一番時計は49.8秒の
ジューヌエコール(栗東・安田隆行厩舎)。これに続く4F50秒台は2頭、4F51秒台となると30頭以上いるような時計が出やすい馬場。3F目に11秒台のラップを踏んだ馬が8頭、4F目の11秒台は7頭と、とにかく走りやすい馬場状態であることは間違いない。
こんな馬場なら速い時計が出て当たり前ではあるが、その中でも強烈だったのは
エイシンティンクル(栗東・坂口正則厩舎)。1回目のハローが終了した直後の時間帯だったが、2F目13.2秒から3F目に11.6秒と一気に加速すると、最後も12.0秒でまとめた。2F23.6秒はかなり速い時計だし、これだけ動くことができれば、
関屋記念以来でも予定されている
京都牝馬S(2月16日・京都芝1400m)での走りが楽しみ。
2月7日。一番時計は
チャレアーダ(栗東・
中内田充正厩舎)の50.6秒。追い切り頭数が少なかったことを考えると、4F51秒台の頭数は多く、前日に続いて走りやすい馬場だったと判断してよい。
先週31日の馬場差は「-0.5秒」。先週の時点でも速い時計が出ていたが、今週はそれ以上という印象を受ける。よって、馬場差は『-0.7秒』で6日、7日とも記録している。
【CW/5F66.0秒】
2月6日。先週の水曜日に比べると、時計が出ている印象。これは朝一から終盤まで変わらなかった。冒頭にも記したように、雨と晴れの
バランスが走りやすいウッドチップ馬場をつくっているのかも知れない。
走りやすい馬場状態なので、どの馬も動きが良く見えやすくなっていたが、それを考慮しても動いたのは
シフルマン(栗東・
中尾秀正厩舎)。3頭併せの大外だったが、終始楽な手応えで走れており、最後まで余力ある状態でフィニッシュ。時計は6F79.5〜5F65.2〜4F51.7〜3F38.0〜1F12.5秒と速く、前走勝った勢いでまだまだ上昇していきそうな気配を感じる。
2月7日。馬場状態としては前日とほぼ同じ。時間帯によっては、先日より更に時計が出ていると思える追い切りもあったが、そこは差をつけるほどではないだろう。
ダイヤモンドS(2月16日・東京芝3400m)に向けて1週前追い切りを行ったのが、
岩田康誠騎手騎乗の
ユーキャンスマイル(栗東・
友道康夫厩舎)。レースでもコンビを組む予定となっているが、3頭併せの最後方から追走する形。最後の直線で最内から前に並びかけていくが、なかなか抜け出してこれない。真ん中が
ワールドプレミアで、この追い比べで前へ出ることができなかった。
とはいえ、時計は6F84.3〜5F68.8〜4F53.0〜3F36.9〜1F11.8秒と終いは遅くない数字。また切れる脚を使わないからこそ、長距離適性が高いと考えることもできるだけに、状態に関しては順調という判断でよいだろう。
先週の馬場差は「-0.3秒」。今週は6F80秒を切る頭数も先週より多くなっている。数字的に見ても、主観的に見ても時計が出ている印象を受ける。よって、今週の馬場差は6日、7日とも『-0.5秒』で馬場差を記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週は6日、7日とも追い切りが行われているが、芝の傷みが進んでおり、それが影響した時計の出方になっている。よって、馬場差としては6日、7日とも『+0.5秒』で記録している。
ポリトラック馬場での追い切り頭数は先週よりも少し減っている。時計の出方は安定しているが、馬場自体はかなり緩めになっていて、少しパワーが必要に思えるくらいのキック
バックがある。ただ、馬場差に関しては、今週も『+0.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・文:井内利彰)