天下の藤沢和厩舎が先週終了時点でわずか2勝。どう考えても少なく見えるが、冬競馬は芝よりもダート戦が主流。その路線の手駒を持たなければ、動かしたくても動かしようがない。
同様に昨年の最多賞金獲得ステーブルである友道厩舎も3勝止まり。自他ともに認める芝中長距離志向の厩舎だけに、こちらもそれほど馬が稼働するわけがない。ある意味、納得の結果なのだが…。今週は明らかに様相が違う。毎週のように厩舎に出入りしていれば、力の入り具合が違うのは容易に察せられる。
もちろん、GIシリーズに感じる“勝負気配ムンムン”的なものではないが、東西で行われる3つの重賞のすべてで“今後”を占う走りが求められている状況なのだ。
「そろそろウチの厩舎もエンジンをかけていきますよ」と大江助手が腕をぶすのも納得のラインアップ。ちなみに3重賞のほかにも勝ち星を計算できる馬がチラホラ。2019年最初の「勝負ウイーク」と言っていい。
「また成長して帰ってきた」
共同通信杯の
アドマイヤマーズと、「手前がアン
バランスな状況で、今は左回りの方が動ける」
クイーンCの
ビーチサンバはここで強調するまでもなく、皆さん、買う気満々だろう。前者は圧倒的な人気だろうし、後者も相当に有力だ。
それに比べると、
京都記念に出走する
マカヒキに関してはネガティブなイメージが先行している。もう復活はないのではないか、と。いったいダービー馬の威厳はどこにいってしまったのか?
正直に言えば、
マカヒキの絶頂期だったダービーと比較すれば、現在の
マカヒキは物足りない。物足りなく感じる。それは担当の大江助手も認めるところだ。では、昨秋の
マカヒキが現在の
マカヒキの姿なのか?
答えは「ノー」。結果を出せなかった昨秋は状態が明らかに良くなかった。
武豊を確保しながら、
ジャパンCを
スキップしなくてはならなかったローテーションがすべてを物語っている。
「
札幌記念(ハナ差2着)である程度の感触をつかみ、長期休養明けを叩いた次はさらに良くなるだろうと思っていたのに、秋に戻ってきたときの
マカヒキは、
札幌記念を使う前よりもはるかに悪くなっていた。それでも、調整を進めていけば戻ってくるだろうと思っていたんですが…。
放牧で大きく緩めてしまうと、戻るまでに時間がかかるようになってしまったようで、
有馬記念(0秒8差10着)の前も“まだトモのハマりが悪いな”という気がしていたんです。最近になってようやくですね。“
札幌記念のときに近づいてきた”と感じるようになったのは。有馬の後も放牧に出さずに在厩調整。緩めずに乗ることが現在の
マカヒキには必要みたいです」
サングレーザーのハナ差2着だった
札幌記念の
マカヒキなら、この
京都記念でも五分以上に戦えるはず。いや、ここで結果を出さずにいつ出すのか? という気がしないでもない。
アドマイヤマーズ、
ビーチサンバ以上にメドを立てたい立場。
京都記念での
マカヒキの復活走に一票を投じてみようかと悩む水曜の午後なのであった。
(栗東の本紙野郎・松浪大樹)
東京スポーツ