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【勝負の分かれ目 共同通信杯】戸崎騎手の好リードで「黄金配合」の新星が一躍クラシック候補に

  • 2019年02月10日(日) 19時00分
 7頭立ての少頭数とはいえ、昨年の2歳王者アドマイヤマーズをはじめ素質馬が揃った第53回共同通信杯のゲートが開いた。

 最初の10完歩ほどでアドマイヤマーズが体半分ほど前に出て、そのままハナに立った。パドックや返し馬からテンションが高かったため、中途半端に抑えて引っ掛かり、フットワークを乱すよりは、流れが落ちつきそうなここは行ったほうがいいと鞍上のミルコ・デムーロが判断したのだろう。軽く手綱で促して進み、先手を取り切ってからしっかりと抑えて折り合いをつけた。

 2番手はクリストフ・ ルメールのフォッサマグナ、内の3番手に戸崎圭太ダノンキングリーがつけている。

「馬がよくなってワクワクしていた。2歳チャンピオンを前に見る、いい形で行くことができました」と戸崎。

 先頭から最後尾まで8馬身ほど。800m通過が49秒5、1000m通過は1分1秒5という、ゆったりした流れになった。

 3、4コーナー中間の勝負どころでもアドマイヤマーズが持ったままで先頭、フォッサマグナが2番手で、外からナイママが並びかけてきた。ダノンキングリーアドマイヤマーズから2、3馬身後ろの内埒沿いで脚を溜めている。

 アドマイヤマーズが先頭をキープしたまま直線に入った。

 半馬身ほど遅れた外のフォッサマグナナイママなどが激しく追われるが、前との差はなかなか詰まらない。

 ラスト400mを切ってデムーロが手綱をしごいてハミを当て直し、後ろを突き放しにかかった。

 外の馬たちは置かれ出したが、内からダノンキングリーが伸びてきて、ラスト200m地点で並びかけた。と思ったら、もうかわして先頭に立っていた。デムーロはアドマイヤマーズを右ステッキで叱咤する。が、戸崎は手綱の指示だけで追い、1馬身ほど抜け切ったとき初めて右ステッキを入れた。気を緩めさせないためだろう。

 ダノンキングリーアドマイヤマーズに1馬身1/4差をつけ、先頭でフィニッシュ。無傷の3連勝で重賞初制覇を遂げた。2頭の後ろは4馬身ちぎれていた。

「この馬に乗れることを幸せに思います」という戸崎のコメントは、最上級の褒め言葉と言えよう。1番枠を生かして内をコースロスなく進むなど、すべてが上手くいった結果の勝利ではあるが、上がり3F32秒9の末脚で突き抜けた力は本物だ。キズナリアルスティールエイシンヒカリなどと同じ父ディープインパクト、母の父ストームキャットという「黄金配合」でもあり、クラシックの有力候補に躍り出た。


 アドマイヤマーズは、初の関東、初コース、初距離、57kg、さらにスタートで外の馬にぶつけられたりと、厳しい要素が重なった。直線で内からダノンキングリーに並ばれたとき、手前を左に戻した(かわされてから、また右手前にした)のは、苦しくなったからか。それでも2着を確保したのだから、さすが2歳王者だ。

(文:島田明宏)

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