ゴールドドリームといえば、陣営はいつもゲートでの様子に悩まされ続けてきました。
担当の木下厩務員によれば、ゲートの出が悪いときは「ゲートの中でバタバタしてしまった」とのこと。でも、落ち着いているときもあるし、そこに規則性が見いだせないのです。プール調教を重ねていくうちに、その癖は解消されてきました。
トレセンではゲートの良くない馬はプールに入れて様子を見ることがよくあります。プールというと広い水場を想像されるかもしれませんが、トレセンにある馬用のプールは形状が複数あって、最初は幅が馬1頭分しかない道のようなところを進んでいくのです。その狭い幅をひたすら進むのですが、水場という比較的
リラックスできる環境で行われることから、同じく幅の狭いところに閉じ込められるゲートでの緊張も減るのでは、とされているのです。
実際、
ゴールドドリームもプールに入れるようになってから、ゲートでの緊張が以前と比べるとなくなってきました。
そして、ついに。
ルメール騎手は
ゴールドドリームのいいところとして、スタートの良さをあげるまで、解消されています。
「(自分が)乗ってからはいいスタート。上手くなったね。ゲートの中でもっと
リラックスできると、いいタイミングでゲートから出せる。いいポジションが取れます」
平田師はよく「許容範囲の出遅れなら仕方ない」と言います。許容範囲とは、極端に置かれるようなことがなければ、の意味なんですが、確かにここ最近は許容範囲内におさまっているように感じます。
ゴールドドリーム自身が喋ることが出来たなら、どうしてゲートの中で
リラックス出来るようになったのか、この心境の変化を聞いてみたいものです。
ここ最近の
ゴールドドリームは「とても元気がいい」(平田師)とのこと。気持ちが入り過ぎて、ゲートで気負わなければいいですね。いや、そのあたりは名手が上手く導いてくれるのではないでしょうか。
(取材・文:花岡貴子)