プリンシアコメータの馬体重マイナス18kg、488kgは好調時に戻してのもの。緩みのないペースでレースを引っ張った(引っ張ることができた)ときの
プリンシアコメータは強い。
プリンシアコメータは、ここ2戦が好位に控えての競馬だったため、個人的には
クレイジーアクセルが逃げ、
サルサディオーネが2番手でレースが落ち着くと見ての予想だったが、この2頭より内枠に入った
プリンシアコメータが「逃げる作戦だった」(岩田騎手)ことでそうはならなかった。ハロンごとのラップタイムは以下。
6.4-11.2-11.8-14.2-12.8-13.3-13.8-11.8-12.8-13.9-13.3
クレイジーアクセルはハナに行くしかないため、
プリンシアコメータは逃げ作戦でも引かざるをえず、その先行争いで最初に11秒台のラップが2つというのは、
クレイジーアクセルには酷なレース序盤となった。川崎2100mでは
グレードレースでもスタンド前から1、2コーナーでペースが緩んで14秒台のラップが続くこともめずらしくないが、14秒台のラップは隊列が決まった1周目3、4コーナーのあたりの一度だけ。直線を向いて
クレイジーアクセルが単独先頭だったが、スローに落とさせないよう
プリンシアコメータが競りかけて行き、さらにやや力むような感じで追走した
サルサディオーネにも厳しい流れになった。
川崎2100mらしいゆったりした理想のペースでレースを進めたのが、前3頭からは離れた4番手の
ミッシングリンクと
ビスカリアで、定石通り、向正面半ばから動いていった。一方で
プリンシアコメータは、
クレイジーアクセルと
サルサディオーネが案外早くに脱落してくれたおかげで、3コーナーあたりで息を入れることができた。4コーナーでは
ビスカリアに並びかけられたものの、直線で突き放すだけの余力が残っていた。
それにしても今回、メンバー中唯一、別定56kg(ほかの馬は55kgか54kg)を背負って後続を突き放した
プリンシアコメータは強い競馬をした。地方初参戦だった2017年の
JBCレディスクラシック(大井)以降での二桁着順は、中央が舞台だった
平安Sと昨年の
JBCレディスクラシック(京都)、それに馬体重大幅増で体調的に問題があったと思われる前走の
クイーン賞の3レースだけ。
プリンシアコメータは地方の馬場でこそ力を発揮するタイプで、今後も地方の牝馬路線中心のローテーションとなるようだ。
そしてこれがラストランと伝えられていた
ブランシェクールも好走を見せた。4番手の2頭からさらに離れた6番手あたりを追走、仕掛けを我慢して直線の脚にかけた吉原騎手の好騎乗だった。それにしても南関東4場の中でもコーナーがきつく難しいとされる川崎コースで、岩田騎手、吉原騎手は、ときに大胆なレース運びでの活躍が目立つ。
24日の阪神競馬場で引退セレモニーが行われた
キンショーユキヒメ(9着)の中村均調教師だが、
エンプレス杯の45分前に発走した名古屋の条件交流を
タガノバレッティで勝ち、それが現役最後の勝利となった。