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デイジー、ドラフト両陣営とも口にするのはサートゥルへの対抗心/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2019年02月28日(木) 18時20分
 皐月賞の「王道トライアル」たる弥生賞を迎えると、クラシックの蹄音がグッと身近に迫った感覚を覚える。だが、それ自体がすでに時代錯誤ではないか。そんな危惧も同時に抱いている。

 近8年の皐月賞馬の前哨戦をひもとけば、共同通信杯4回、スプリングS3回、毎日杯1回。弥生賞からのVは10年ヴィクトワールピサまでさかのぼる。「王道」と扱うのがためらわれる近年の傾向だ。昨年のホープフルS優勝馬サートゥルナーリアが下した「皐月賞ぶっつけ」の決断、むしろそれが最もトレンディーな「王道」である可能性も否定できない。

 だからであろうか。今年の弥生賞組には相手関係を気にする様子があまり見られない。垣間見えるのは“王道”をスキップしたライバルへの敵対心である。

ホープフルS(3着)は2角で4番手に位置しながら、4角では9番手。優勝馬サートゥルナーリアがギリギリまで脚をためたことで、その背後に位置したこの馬は、さらに追い出しが遅れる形になってしまった。スムーズなら2着はあったと思うけど、相手の脚を測るという意味で無駄ではなかったはずです」

 こう語るのはニシノデイジー高木登調教師。JRA賞(最優秀2歳牡馬)を懸けた一戦だったゆえに結果は無念だろうが、矛先はすでにリベンジに向けた戦いだ。

「まだ緩さは残るけど、放牧を挟んで全体にボリュームアップ。乗り難しさはあるが、中山も2度目になるし、とにかく皐月賞が見える走りを見せてほしいですね」

 一方で、新馬→京成杯を連勝したラストドラフトは、斎藤助手が次なる言葉をエールに代えて送り出す。

京成杯はハナに行きそうだったけど、1角でスッと収まったのが驚きでした。普段は幼さ全開の馬で、稽古はムキになるし、パドックや返し馬も危なっかしい。それが競馬に行くと優等生に変わるから不思議です。本当に良くなるのはこれからでも、現状でクリストフに“捨てがたい”と思わせる競馬を期待しているんです」

 皐月賞サートゥルナーリア騎乗が決まっているルメールをあえて乗せるのも、実は陣営の“この馬もGI級”という自負の表れである。

 ちなみに、ニシノデイジーが92年桜花賞ニシノフラワーのひ孫なら、ラストドラフトは11年桜花賞マルセリーナの長男。そして両馬の激突にかかるのは、05年オークスシーザリオの子=サートゥルナーリアへの挑戦権。クラシック年表が鮮やかによみがえる今年の弥生賞…。やはり胸を張って当方は「王道」と呼ばせてもらう。

(美浦の宴会野郎・山村隆司)

東京スポーツ

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