「中山牝馬S・G3」(9日、中山)
節目のJRA通算700勝に王手をかけていた三浦の最後のひと押しが、ようやく
フロンテアクイーンを“銀メダル”の呪縛から解き放った。これまで重賞で2着止まりに終わることが、実に5回。外から猛然と追い込んだ
ウラヌスチャームを鼻差退け、15回目の挑戦で待ちこがれた美酒に酔った。
完璧な騎乗だった。ハナまでうかがう先行馬が多く、ハイペースは織り込み済み。ソロッと出て中団で脚をためた。手応え抜群の4コーナーでも我慢。先に押し切ろうと抜け出した
フローレスマジックを目標に、一気に外から襲い掛かった。
「持ったまま上がってこられたし、追いだしも我慢できた。それが最後につながったと思う」と胸を張った鞍上は、これがうれしい区切りのV。この日の1Rを快勝し、あと1勝としながら、その後6連敗。「朝から勝ちたいと思っていたけど、ここは冷静に馬のことを考えました」と会心の笑みがこぼれた。
今年重賞初勝利の国枝師も好騎乗を絶賛した。「完璧に乗ってくれた。700勝だって?すごいね。(三浦)皇成の行いがいいんだね、きっと。前回マーフィーが積極的に乗ってくれていたから、手応えも良かったね」。もちろん、春の大目標は
ヴィクトリアマイル(5月12日・東京)。間に福島牝馬S(4月20日・福島)を使うかは、状況を見て判断される見込みだ。遅咲きの女王候補が、大舞台へ一気に加速する。
提供:デイリースポーツ