今月24日に中京競馬場で行われる
高松宮記念(4歳上・GI・芝1200m)では、
ロードカナロア産駒の
ダノンスマッシュに注目が集まりそうです。そこで今週は、
ダノンスマッシュと同じ安田隆行調教師が管理した
ロードカナロアの現役時代を振り返ります。国内外問わずス
プリント路線で華々しい成績を収め、2012年に
JRA賞最優秀短距離馬、2013年には
JRA賞最優秀短距離馬と
年度代表馬との2冠を達成。引退後にはその功績が称えられ昨年には
JRA顕彰馬となり殿堂入りを果たしました。そんな
ロードカナロアがGIに挑戦した過去7戦をピックアップしてお届けします。
■1番人気での初GI挑戦は、同厩舎の先輩から洗礼を受ける形に…
今回は2012年の
高松宮記念。当時4歳春の
ロードカナロアにとってこれがGI初挑戦となった。2歳時の2010年12月にデビュー戦を制してから、GIに初挑戦するまでの8戦で6勝、負けた2回も2着とほぼ
パーフェクトな成績を収めてきた同馬。先行しつつ、上がり3Fもコンスタントに上位に食い込んでくる安定した隙のないレースぶりは、人気にも着実に表れていた。
これまでの8戦で単勝はすべて1番人気。単勝オッズ1.2倍で臨んだデビュー戦を筆頭に、初の重賞出走で見事勝利を収めた
京阪杯では1.6倍、次走の
シルクロードSでは1.4倍(2馬身半差の快勝)と、連勝を重ねていくごとに、その実力はますます死角のないものと思われていった。
そんななか迎えた9戦目でのGI初挑戦。この年の
高松宮記念では、昨年の
スプリンターズS覇者で厩舎の先輩である
カレンチャンやこれまでに重賞3勝を果たしていた
サンカルロなど、一線級の年長馬を抑えて堂々の1番人気に。これで9戦連続の1番人気となった。
1番枠からのレースとなった
ロードカナロアは、好スタートを決め、ハナを主張する
エーシンダックマンを行かせて、これまでと同じように中団前目のポジションへ。その前には2番人気の
カレンチャンがおり、最大のラ
イバルを見ながら進める絶好位となった。前半3Fは34.5と中京開催ではややゆったりとした流れで第4コーナーへ向かう。
直線で先に先頭に躍り出た
カレンチャンの内に進路をとると、そこから鞍上
福永祐一騎手のムチに反応して伸びる。その差は約1馬身。ラスト200mをきって懸命に脚を使うものの、思うように
カレンチャンとの差は詰まらず、こちらも同厩舎の
ダッシャーゴーゴーを交わすので精一杯。最後には道中控えていた
サンカルロの強襲にあい、そのままゴールイン。
6連勝がかかった4歳春でのGI初挑戦は、
池添謙一騎手騎乗の
カレンチャン、
吉田豊騎手騎乗の
サンカルロに次ぐ3着となった。勝ちタイムは1:10.3、
ロードカナロアはコンマ1秒差での入線。
結果的にみれば、1番人気に応えることは出来ずほろ苦いGI初挑戦となったものの、実績馬相手に初の左回りのなか、この時点での実力は発揮できたのではないだろうか。しかも前走の
シルクロードSで2着に負かした
エーシンダックマンが同レースで17着に敗退したことを考慮すれば、
ロードカナロアが更なる進化を遂げている可能性も感じさせる一戦となった。