今月24日に中京競馬場で行われる
高松宮記念(4歳上・GI・芝1200m)では、
ロードカナロア産駒の
ダノンスマッシュに注目が集まりそうです。そこで今週は、
ダノンスマッシュと同じ安田隆行調教師が管理した
ロードカナロアの現役時代を振り返ります。国内外問わずス
プリント路線で華々しい成績を収め、2012年に
JRA賞最優秀短距離馬、2013年には
JRA賞最優秀短距離馬と
年度代表馬との2冠を達成。引退後にはその功績が称えられ前年には
JRA顕彰馬となり殿堂入りを果たしました。そんな
ロードカナロアがGIに挑戦した過去7戦をピックアップしてお届けします。
■前哨戦でまさかの敗北 それでも絶大な支持は変わらず
今回は2013年の
スプリンターズS。前走の
安田記念を制して、ス
プリントとマイルの2階級GI制覇を達成するとともに、GIの連勝を「4」に伸ばし、絶対王者の地位を不動のものにしつつあった
ロードカナロア。
そんななか迎えた秋初戦の
セントウルSは、逃げる
ハクサンムーンを捉えきれずにまさかの2着。前哨戦の舞台で土を付けられた
ロードカナロアだったが、迎えた本番
スプリンターズSでも単勝オッズ1.3倍と、断然の支持は一度の惜敗では揺るがなかった。
今回
ロードカナロアが
スプリンターズSを制すれば、芝1600m以下の短距離GI・5勝目となり歴代1位の
タイキシャトルに肩を並べる。さらに安田隆行厩舎にとっても2011年の
カレンチャンからの
スプリンターズS・3連覇がかかる一戦となり、勝ち星を重ねるごとにかかる記録が増えていくのも、同馬の偉大さを物語っている。
大歓声の中、10番枠から発走した
ロードカナロアと
岩田康誠騎手は、やや後手を踏み中団へ。それとは対照的に
セントウルS覇者
ハクサンムーンはテンの速さを活かして逃げる。
ロードカナロアは道中じりじりとポジションを押し上げていき、徐々に馬群も凝縮されていく。前を射程圏に入れつつ、第4コーナーを回り最後の直線へ。
直線入ってすぐに
岩田康誠騎手の
ゴーサインが出され、後続に2馬身ほど差をつけて逃げ粘る
ハクサンムーンにぐんぐんと迫っていく。そこからいつものような伸び脚で差を詰め、残り100m付近で先頭に立つと後続を押し切りそのままフィニッシュ。
ゴール後のインパクトに残る実況が興奮を助長させる一方で、岩田騎手はいつもの
ガッツポーズを見せなかった。今回負けたら引退、という話も囁かれていたなか、相当のプレッシャーだったに違いない。そんな杞憂を吹き飛ばす危なげない横綱相撲で、数多の記録を更新していく
ロードカナロアなのであった。