【
高松宮記念(日曜=24日、中京芝1200メートル)東西記者徹底討論】
春のス
プリント王決定戦・第49回
高松宮記念の予想合戦は、「両刀」山口VS「分析官」岡崎の2度目の顔合わせ。
ダノンスマッシュと
モズスーパーフレア。急激に力をつけた「4歳馬2頭が勢力図の中心に躍り出た」という見解は一致したものの、やはりと言うべきか、本命が一致することはなかった。
岡崎翔(大阪スポーツ):春秋ス
プリントGIを連覇し、昨年は国内無敗を誇った
ファインニードルがスパッと引退。今年は王者不在で迎える春のス
プリント王決定戦になりました。
山口心平(東京スポーツ):この路線は絶対王者
ロードカナロアの引退以降、長期政権が築けていないというか、混沌としているよな。
岡崎:ただ、今年は
ダノンスマッシュ、
モズスーパーフレアという若いスター候補が出現しましたからね。どちらもツボにハマると本当に強いですし、ここで勝てば一時代を築くような偉大なチャンピオンになってくれるんじゃないですか?
山口:そうだな。ベテラン勢にも頑張ってほしいところだが、それ以上にスター候補2頭にはコロッと負けてほしくはない。いずれにせよ、「新興4歳世代2頭VS既成勢力」という図式だろう。
岡崎:で、先輩はどちらを狙うんですか?
山口:◎
モズスーパーフレアだ。
岡崎:結局、印が分かれるのが我々らしいですね。ボクは◎
ダノンスマッシュで。ちなみに中京が改修された2012年以降、逃げ切りは一度もない、逃げ馬
モズスーパーフレアにとっては嫌なデータもあります。その点は大丈夫なんですか?
山口:前走の
オーシャンSでは前半32秒3という驚異的なハイペースで飛ばしながらも、上がりも34秒8でまとめて逃げ切ってるからな。一介のスピード馬とはモノが違うよ。
岡崎:同型は競りかけると潰されるし、ペースが緩まないから、後方勢も追い上げるタイミングが難しいですよね。
山口:そうそう。追いかけるとキツいイメージを周りに植えつけたのが大きい。後続が仕掛けを迷っている間に、この馬がスイスイと逃げ切るってシナリオだ。で、
ダノンスマッシュ派のオマエの言い分も聞こうか。
岡崎:
京阪杯、
シルクロードSの連勝がとにかく強かった。特に
シルクロードSなんか、包まれて進路が確保できたのは残り200メートル地点でした。先にスパートをかけた先頭集団をそこから一気に加速して捕らえるんですから…。トップスピードのケタが違いますよ。
山口:うーん、確かに見た目は派手だったが…。実のところ、ここ2戦で負かした相手は大したことないんじゃないかって気も。
岡崎:確かにそうかもしれませんが、スムーズにさばけていたら、もっと突き抜けていたでしょうし…。世界に羽ばたいた父
ロードカナロアの域にすでに達しているかもってくらい、ボクは評価してますよ。
山口:オレはあえて△にとどめる。どうせ人気だろうし、馬券的な妙味もないからな。
岡崎:じゃあ先輩の対抗は?
山口:
ロジクライだ。
モズスーパーフレアがつくる激流、さらにタフな中京の長い直線を乗り切るには、1400〜1600メートルあたりまでこなせる馬じゃないと。もともとはマイルが主戦場だったこの馬がピッタリだ。
岡崎:
阪急杯(3着)は不完全燃焼気味でしたし、底は見せていないので、ボクも△は打ちましたが、さすがに距離未経験というのは計算しづらいような…。速い流れに対応できますかね?
山口:1600メートルとはいえ、速い持ち時計のある馬だし、対応できるスピードの下地はあるだろ。
モズスーパーフレアを追いかけたス
プリンター勢が苦しくなれば、最後に脚を残しているのはこの馬だ。同じような狙いで
デアレガーロも穴馬に強調しておきたい。前走の
京都牝馬S勝ちはプラス32キロ。上積みは大きいはずだし、折り合いに難のあるこの馬にとって、1200メートルのGIの流れはマッチするはず。
岡崎:なるほど。
山口:オマエが人気2頭以外で強調したい馬はなんだ?
岡崎:今年は世代交代の年とみてますから、同じ4歳馬の
ミスターメロディとしておきます。
阪急杯は1番人気を裏切る7着でしたが、直線でぶつけられる不利がありましたからね。調教で見せる走りや馬体の迫力は、GIでもやれそうと思わせてくれます。
山口:先物買いってやつだな。世代交代って言うなら、昨年2、3着の
レッツゴードンキ、
ナックビーナスあたりはもちろん、
ノーマークにするんだろうな?
岡崎:うっ…。△を打ってはダメでしょうか? 実績から能力があるのは間違いないので…。
山口:優柔不断なヤツだな。ま、普通に考えると消すまでの理由はないよな。
東京スポーツ