道中のラップにスポットを当て、その増減でコース適性を
ジャッジする『ラップギア』。その第一人者、岡村信将氏に今年の
高松宮記念の行方を占ってもらった。
高松宮記念の舞台、中京1200mに適した馬は? そして、“ラップギアマスター”岡村信将氏が語る、
モズスーパーフレアの勝機とは?
『ラップギア』は2007年発表。時計的な速さ・遅さを一切無視し、“ラップの増減”のみに注目した競走馬の適性
メソッドです。▼7や△2といった簡単な記号を用い、すべての馬とコースを「瞬発型」「平坦型」「消耗型」に分類。瞬発型のコースでは瞬発型の馬が有利、消耗型のコースでは消耗型が有利となり、重賞やGIなどレースの格が上がるほど有用度が増してくる手法です。
通常1200mのレースは【瞬発0:平坦2:消耗8】のように消耗戦が7〜8割を占めることになるのですが、2012年改装以降の中京芝1200mでは、ラップギアのコース適性値は【瞬発2:平坦5:消耗3】。これは瞬発戦になる確率が約2割で、平坦戦が約5割、消耗戦が約3割という意味で、1200mとしてはかなり特異なコースといえます。
この並びに近いのは【瞬発0:平坦5:消耗2】の
ダノンスマッシュや、【瞬発2:平坦11:消耗4】の
ナックビーナスなど。【瞬発5:平坦3:消耗2】の
レッツゴードンキや【瞬発5:平坦2:消耗0】の
ロジクライは適性が瞬発に寄りすぎ、逆に【瞬発2:平坦2:消耗3】の
モズスーパーフレアは消耗に寄りすぎているという印象です。恐らく、ハナを叩くであろう
モズスーパーフレアが、自らの速力でどこまで消耗戦展開に持ち込めるかの勝負になってくるでしょう。
(文=岡村信将)