ダートの登竜門的な位置づけとなっている
伏竜S(3/31・3歳OP・中山ダ1800m)に新馬、
黒竹賞(500万下)と2連勝中の
デアフルーグ(牡3・美浦・
鈴木伸尋)が出走する。新馬が9馬身、
黒竹賞が5馬身差をつけての圧勝と、大物を予感させる内容だった。さらに鈴木(伸)厩舎は先週、6頭出走して5勝と絶好調。その勢いに乗って
デアフルーグの豪快な走りが見られるか。調教パートナーの
千葉直人調教助手に話を聞いた。
「最初跨った時は、今まで味わったことのないような動きをする馬だと思いました。体のバネがすごくありましたし、柔らかいフットワークをしていて、ちょっと違うなと感じました。
この血統はほとんどウチの厩舎に入ってきていて、他の兄弟とも違いました。すぐ上の兄の
ショーム(牡4・1600万下)は初めからしっかりしていて、完成されていた馬だったんですけど、この馬はまだまだ伸びしろがあって、かつ体の使い方が兄よりも柔らかいんです。
ショームと2歳上の姉
パイルーチェ(牝5・1600万下)は気持ちで走るタイプですけど、
デアフルーグは準オープンまでいった
パイメイメイ(牝8・引退)と少し似ていて、上の指示に従順というか騎乗者の指示を待っているような馬で、操縦性もありますね。
ただ新馬の時は問題なかったのですが、前走は返し馬からカーッとしていて前向きさが強く出てきた感じがしました。そうなるとどうしても短距離に偏ってしまいます。上を目指したい馬ですし、1800mや2000mくらいは持たないと大きなレースもあまりないので、先生や津村騎手とも相談して考えながら調整しています。
まだ2戦のキャリアで競馬がしっかり板についていないので、馬がレースを理解してくれて、さらに精神的にも成長していければと思っています。
前走後は放牧に出て、約1か月前に戻ってきました。ここを目標に順調ですし、今はテンションも落ち着いていて、良い感じで競馬に向かえそうです。
今週(3/27)の追い切りは、オープン馬(
アポロノシンザン・牡7)と兄
ショームと併せ馬をしました。これまでは競馬前まである程度落ち着かせるような攻め馬でしたが、レースの当週ですし、後ろから
ショームに突いてもらってピリッとさせるような追い切りをしました。格上の2頭に負けず劣らずの良い動きでした。
全日本2歳優駿の勝ち馬(
ノーヴァレンダ)をはじめとする強い馬相手に結果が出れば、この先がさらに楽しみになりますし、強い
デアフルーグを見せられればと思います」
(取材・文:佐々木祥恵)