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戸崎も驚く進化 ダノンキングリー/POGマル秘週報

東京スポーツ
  • 2019年04月10日(水) 18時15分
 これまでJRA賞の2歳タイトルは、牝馬なら阪神JF、牡馬なら朝日杯FSの勝ち馬がほぼ自動的に手中にしてきた。

 ところが昨年暮れにホープフルSを制したサートゥルナーリアが集めた得票数は、朝日杯FSの勝ち馬アドマイヤマーズの153票に迫る123票。投票時のアドマイヤマーズの戦績は4戦無敗。にもかかわらず、これだけ票が割れたのは、サートゥルナーリアがたとえ亜流の実績だったとしても、その強さが際立っていたからに他ならない。

 そのサートゥルナーリアを主役に、幕が開けようとしている2019年の牡馬クラシック第1冠・皐月賞。仮に異論であり、不安材料を挙げるとすれば、“ぶっつけ”となる臨戦過程がまず挙がるのだが…。

 年明けのJRA賞授賞式で「ダービーを最大目標にした場合、やはり春は2戦がベスト」と話していたのが(有)キャロットファームの秋田博章社長。同じキャロットファームの所有馬で、やはりホープフルS(当時はGII)の勝ち馬だったレイデオロが、3歳春は休み明けの皐月賞(5着)をステップに見事ダービー馬の称号を得た成功例を踏まえれば、ある意味、王道パターンとして定着しそうなムードさえある。先週の桜花賞グランアレグリア朝日杯FSから中111日で制した“時流”も追い風になりそうだ。

 もはやサートゥルナーリアが西の…いや、皐月賞の主役であることを否定するつもりはないが、“東の主役”ダノンキングリーに逆転の余地はないのか? これが当コラムの主題。サートゥルナーリアと同じく3戦無敗というだけでなく、共同通信杯からの臨戦は、近年の皐月賞で最も成果を上げているローテでもあるのだから…。

 ダノンキングリーを分析する上で最も重要なのは、血統面からくる距離適性。米国産だった半兄ダノンレジェンド(父マッチョウノ=16年JBCスプリントを筆頭に短距離ダート重賞を9勝)はともかく、同じディープインパクト産駒の全兄ミッキーグッドネスミッキーマインドも短距離色が濃い。実際、芝1600メートルで連勝し、共同通信杯で1800メートルを克服した今でも、萩原調教師は「馬体の成長は感じているし、特にここ2走がいい勝ちっぷりで、内容も良くなっている」と評価する一方で、「相手強化と距離がカギ」と2000メートルを明確な課題に挙げている。

 ただ、記者が心強く感じているのは、主戦を務める戸崎圭の手応えだ。この中間は南ウッドでの2週前追いにまたがり、1週前追い時は追い切り後に調教助手から乗り替わり、ゲートで駐立の確認などを行った。

「(1週前)追い切りは同じ萩原キュウ舎の別の馬に乗って見ていましたが、しっかり負荷がかかっていた印象を受けました。ポリトラックのほうが走りやすい馬ですけど、ウッドでもしっかり動けていますね。レースを使うたびに上向いているし、何よりこれだけ短期間でガラッと変わってきたのは走る馬の証し。そういう感触を持っているから、相手強化、距離延長にも対応できそうな気持ちにさせてくれる」

 戸崎圭の言う“短期間での進化”は、前3走のレースぶり、そして何よりウッドではあまり動けなかった馬が、客観的にも見違える動きを見せていることからもハッキリと確認できる。

 ちなみに前2走の最終追いは比較的負荷のかからないポリトラックで行われた。10日に予定されている最終追いではどのコースを選ぶのか…。ウッド追いを敢行するようなら、いよいよ本格化の域に突入したと判断できるだけに、大いに注目している。

(立川敬太)

東京スポーツ

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