今週の栗東は10日が大雨。前夜から降り続き、調教時間中も粒の大きな雨が降っていて、ダート馬場にも水が浮く状態。ウッドチップや芝も走ると水をはじくような音がするということなので、水が浮く一歩手前というような状況だったようだ。
その影響で、坂路、Cコースともに先週までに比べると時計を要する状態になっている。特に走破距離の長いトラック馬場になると、その影響は特に大きいように思う。ただ、先週まで基準時計より速い数字が出ていたので、基準から考えると、少し遅くなったという程度になる。
【坂路/4F51.9秒】
4月10日。冒頭に記したように、時計を要する雨だったとはいえ、一番時計は
エンゲルヘン(栗東・五十嵐忠男厩舎)が50.3秒をマーク。一番時計の数字自体は先週と変わらない。ただ、4F目が13.0秒だったように、2F続けてを飛ばせば、最後は止まってしまう馬場ではあった。
また、先週までは4F目11秒台の頭数が多かったが、10日は11秒台は皆無。4F目の一番時計が12.1秒だし、12.4秒以下の頭数もかなり少なくなっている。3F目までの惰性スピードで4F目もまとめることができるほど、軽い馬場ではないということだろう。
4月11日。一番時計は
サルサディオーネ(栗東・
羽月友彦厩舎)の4F51.4秒。この日は絶対的な追い切り頭数が少ないことで時計が遅くなっただけ。4F目に12.4秒以下のラップを踏んだ頭数の比率を考えると、前日よりは時計の出る馬場だと判断してよさそう。
先週の馬場差は「-0.4秒」。今週は一転して、時計を要する馬場。全体的な時計の出方を見ると、10日の馬場差は『+0.8秒』で記録。11日に関しては、少し馬場が乾いたこともあるので『+0.5秒』で馬場差を記録している。
【CW/5F66.0秒】
4月10日。冒頭に記したように、朝一番から時計を要する馬場状態。そんな状況を考慮して、乗り手が意識的に時計を出していない陣営もあったが、出そうと思って、スピードに乗せても時計が出ないという追い切りも多数あった。
そんな中、4F追い切りとはいえ、併せ馬で内から手応えよく抜けてきた
サトノルークス(栗東・
池江泰寿厩舎)。併せた
アイスバブルも手応えは楽に見えたが、それ以上にこちらは伸びていきそうな手応え。
皐月賞(4月14日・中山芝2000m)に出走予定だが、3連勝の勢いは本物といった感じがする。
4月11日。雨が降る時間帯もあったが、基本的には10日よりも走りやすい馬場。それは時計の出方を見てもそう思えたし、動きと計時した数字の感覚が先週までに近いものがあった。
時計は遅かったが、動き自体が目立ったのは
パフォーマプロミス(栗東・
藤原英昭厩舎)。
天皇賞・春(4月28日・京都芝3200m)に向けた1週前追い切りだったが、単走で気分よく走る内容。ただ、後ろから同厩舎の3頭併せのプレッシャーを少しだけ受けるような感じ。それでも自分のリズムで走れば、どこまでも同じスピードを持続できそうなだけに、今回が初めて3000mを超える距離のレースになるが、適性は高いような気がする。
先週の馬場差は「-1.0秒」。今週は10日が確実に基準時計よりも遅い馬場。よって馬場差は『+0.2秒』で記録。11日に関してはかなり馬場が回復しているので『-0.3秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は雨の影響があり、追い切り多数。水分を含んで、かなり緩くなっていることを想定していたが、実際に馬場を確認するとそこまで掘れていない。芝が短めということもあるのかも知れない。今週の馬場差は10日、11日とも先週と同じ『-0.5秒』で記録している。
ポリトラック馬場での追い切り頭数は10日と11日で50頭を超えている。かなり増えているが、時計の出方自体はあまり変わっていないし、無理に速い時計を出している馬もいなかった。馬場差に関しては、10日、11日とも『+0.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・文:井内利彰)