「まだ掴み切れていない部分が多い」
メイショウテンゲンを担当する土屋助手は何よりそれを強調します。
「成長途上。完成はまだまだ先だし、何よりまだレースで真っすぐ走ったことがない。調教では真っすぐ走るんだけどね」
そうなんですよ、
メイショウテンゲンのレースは皆さんご覧のとおり、不器用というか、なんとも破天荒な走り方ばかり。膨れるとか、内に切れ込むというか、そんな言い方する以前に
「まだまだレースというものを理解していない」
うん、それがすべてのように思います。本気出す場面をわかっちゃいないけど、クラシックの登竜門(
弥生賞)を勝っちゃった!みたいなかんじでしょうか。でも、幼さは相変わらずなのがたまにキズです。
それでも、調教では先週、今週となかなかいい調教タイムを出しています。
しかしながら「まだまだ本気で走っていない」のだから、ホントつかみどころがないのです。
自分の中に秘めた能力の客観的評価をテンゲンくん自身がまったくできていない。でも、強い!みたいな。古い時代の少年マンガの主人公みたいなかんじでしょうか(笑)。
顔つきは…ちょっと大人っぽくなったかな?!と思いきや、よーく見たら写真のとおり、やっぱり幼いままでした(汗)。やっぱり、少年のままなんですよね。でも、それが彼の長所。強い馬とか出てきていることで当然萎縮する馬はいると察します。でも、テンゲンくんはそういうの、全然気にしないんじゃないですかね。とにかくマイペースなんです(笑)。
(取材・文:花岡貴子)