今週の栗東はかなり暖かくなってきた。その影響もあってか、17日夕方から夜にかけて雨が降り、18日は朝から霧が発生。調教時間帯もトラック馬場は濃霧のため、向正面だけでなく、ゴール前の僅かな場所しか視界がクリアでない時があった。前半の時間帯はほぼ追い切りを採時できない状態、8時すぎになって、ようやくコース全体が見えるようになってきた。
朝一番の冷え込みも緩くなっているだけに、今後は朝一番から調教で汗をかくことができる時間となりそう。このあたりは馬体重の変動に出てくるはずなので、体重の増減に敏感なタイプには注意した方がよいだろう。
【坂路/4F51.9秒】
4月17日。一番時計は
サングラス(栗東・
谷潔厩舎)の49.3秒。いつも50秒を切ることができる馬だけに、先週に比べると走りやすい馬場であったことを示す時計だと思うが、全体的には4F50秒台が2頭しかおらず、4F51秒台の頭数も少ない。先週ほどではないにせよ、先々週までのような走りやすい馬場ではない。
ちなみに4F目で11秒台のラップをマークしたのは
リスグラシュー(栗東・
矢作芳人厩舎)の11.8秒。この追い切りは通常の調教開始時刻よりも早い、4時28分にマークされたもの。誰も踏んでいないウッドチップだから、このくらいの時計が出るのはある意味当然といってよいのかも知れない。
4月18日。一番時計は
ジョーカナチャン(栗東・
松下武士厩舎)の4F50.1秒。前日同様に、一番時計の数字は先週よりも速い。全体的な時計も前日とほぼ同じだが、前日に降った雨の影響は受けてない印象だった。
開場からまもない時間帯に併せ馬を行ったのが、
天皇賞・春(4月28日・京都芝3200m)に特別登録している
矢作芳人厩舎の2頭。
カフジプリンスが先行して、
チェスナットコートが追いかけていく展開だったが、道中の手応えを見ていると
チェスナットコートが前を捕まえることができそうな勢い。
実際、2F目で0.1秒ラップを縮めて、差を1馬身ほどにしたところで後半を迎えたのだが、そこから脚があるのは
カフジプリンス。最後は
チェスナットコートが引き離される形となり、スタート時と同じ1馬身半の差でゴールした。どちらも4F時計は51.5秒。1週前追い切りとしてはどちらにもしっかりと負荷をかけられる内容だった。
先週11日の馬場差は「+0.5秒」。先週よりも時計を要する馬場ではなかったが、全体的な時計の出方を見ると、ほぼ基準時計と同じ数字になっている。よって、今週の馬場差は17日、18日とも『±0.0秒』で記録している。
【CW/5F66.0秒】
4月17日。先週は10日の馬場差が+0.2秒と、CWコースも時計を要する馬場状態だったが、今週は回復している。4Fで51秒前後という時計も多く、スピードに乗って4コーナーを回ってくると、その勢いのままゴールまで駆け抜けていくような動きが目立っていた。
圧巻だったのは、2回目のハローが終了した時間帯の
ジンゴイスト(栗東・
矢作芳人厩舎)。
サトノグランがかなり前を走っていたので、追いつくかどうかという感じだったが、これをきっちりと捕まえて同入。6F78.0秒は素晴らしく速いが、最後はまだ余裕があった感じ。3歳時に未勝利を勝てず、出戻りの形だが、ようやく良血馬としての能力が開花してきたのかも知れない。
4月18日。冒頭でもお知らせしたように、朝一番から濃霧のため、6Fからの採時は不可能。ただ、霧がなくなってからの追い切りを見るかぎりは特別、前日と違う馬場状態という感じはなかった。
先週の馬場差は11日が「-0.3秒」。馬場差としては当時とほぼ同じくらい。全体的な時計の出方を見てもそんな印象なので、今週の馬場差は17日、18日とも『-0.2秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は17日に1頭だけ追い切りを確認したが、18日は濃霧の影響もあり、追い切りを確認できていない。馬場の状態としては先週までと変わりないと思われるので、今週の馬場差も先週と同じ『-0.5秒』で記録している。
ポリトラック馬場での追い切り頭数は先週から少なくなっているが、それでも17日と18日で30頭を超える頭数は追い切っている。馬場状態としては速すぎず遅すぎずの適当な状態。馬場差に関しては、17日、18日とも『+0.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・文:井内利彰)