競走馬はただそこを歩いているだけでも性格の違いを感じさせるものです。
エタリオウを見かけると、気の強さを表に出すように。もしも鼻息を描けたなら、フンフンと書き記したいような雰囲気を感じます。
一方、
ユーキャンスマイルはゆったりしていて。子供が突然撫でにいったとしても、ゆっくり立ち止まって応じるような大らかさを感じます。
そんな
ユーキャンスマイルの凄さは、普段は悠々としているにも関わらず、鞍上からのGO
サインには精いっぱい全力で応えるところではないでしょうか。
「とても乗り手に従順で操作性が高い馬なので、周囲の出方を伺いながらペースが遅ければ前につけるもよし、自分のリズムを守ることに徹するもよし」(大江助手)
とにかく、陣営の
ユーキャンスマイルへ寄せる信頼が厚いのです。
「ジョッキー(岩田騎手)も前走から乗ってくれているのでこの馬のことを知っています。安心して、自信を持ってレースをしてくれれば」と、陣営からは全面的な信頼を感じさせるコメント。もう、これを聞けば聞くほど、
ユーキャンスマイルから狙いたくなりますね。
そして、この
ユーキャンスマイルのオーナーは先週不慮の死を遂げた
シャケトラと同じ金子真人ホールディングス様。
シャケトラが今年の
天皇賞(春)に出走していたなら、相当な人気を集めていたことでしょう。
ユーキャンスマイルは同厩舎の
エタリオウの僚馬であると同時に、同じ金子オーナーの下、
シャケトラの僚馬でもあります。
シャケトラの無念の分まで、
ユーキャンスマイルには無事に淀の3200を体感して欲しい。勝手な妄想かもしれませんが、ただただそれを願ってやみません。
(取材・文:花岡貴子)