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【勝負の分かれ目 天皇賞・春】堂々たる王者の競馬で平成最後の頂点に。ルメール騎手とディープ産駒は八大競走コンプリート!

  • 2019年04月28日(日) 20時00分
 平成最後の盾獲り合戦となる第159回天皇賞・春のゲートが開いた。

 出走馬13頭が横並びの綺麗なスタートを切った。

 ヴォージュがハナを切り、ロードヴァンドールメイショウテッコンがつづいて1周目スタンド前に差しかかった。

 クリストフ・ルメールが乗る1番人気のフィエールマンは中団につけた。

「馬がリラックスしていた。長距離では大事なこと」とルメール。

 2番人気のエタリオウはポツンと離れた最後方を進む。

 最初の1000m通過は59秒8。距離を考えるとやや速い流れになった。

 1、2コーナーを回りながらペースが落ち、次の1000mは1分4秒2を要した。流れが落ちつくのを見越したかのように、フィエールマンが外からじわっと進出して、前との差を詰めた。

 管理する手塚貴久調教師も想定していた動きだった。

「追い切りのあと、ルメール騎手と作戦について話したとき、徐々に動いて行きたいと言っていたんです。もともとスタートは速くない馬ですからね」

 2周目の3コーナーで、フィエールマンは先頭から3、4馬身のところまで、無理なく押し上げていた。

 エタリオウが外から一気に上がってきた。それに被されそうになったところでグローリーヴェイズも動いた。その「圧」に押し出されるように、フィエールマンは、4コーナーを回りながら持ったままで前をかわしにかかる。

「3、4コーナーで馬が走りたがっていたので、自分で動いた。戸崎さんが外から来たとき、また頑張ってくれて、ゴールまで戦った」

 そう話したルメールのフィエールマンが先頭に立ち、その外に戸崎のグローリーヴェイズが馬体を併せて直線に入った。

 2頭の壮絶な叩き合いが始まった。

 戸崎が左鞭でグローリーヴェイズを叱咤し、ラスト200mを切った。

 ラスト100mあたりで、ルメールは初めて左ステッキを入れた。

 一瞬、グローリーヴェイズがかわすかに見えたが、フィエールマンが差し返し、先頭でゴールを駆け抜けた。首差の2着がグローリーヴェイズ。3着のパフォーマプロミスまでは6馬身ちぎれた。

 フィエールマンの鞍上のルメールは史上3人目、父のディープインパクトは史上4頭目となる産駒の八大競走完全制覇を果たした。

 4角先頭で、ライバルとびっしり叩き合って首差で競り落とすという、キャリア6戦目とは思えない、王者と呼ぶにふさわしい競馬で平成最後の頂点に立った。

(文:島田明宏)

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